ドライアイ
どらいあい

最終編集日:2022/4/7

概要

ドライアイは、涙の量が減少したり、涙がもつ目の表面にとどまる力が低下して起こる病気です。失明することはありませんが、目の不快感で日常生活を損ない、ときには目の表面に傷を伴うこともあります。高齢化やエアコンの使用による乾燥、コンタクトレンズの長時間装用などに加えて、パソコンやスマートフォンの普及で、目の負担が増えたため、患者数は増加傾向にあります。ドライアイの人はまばたきの回数が少ないといわれていますが、まばたきは涙の分泌を促し、目の表面に涙を行きわたらせる働きがあります。

原因

目の表面は常に涙で覆われていて、涙はいわば目を守るバリアのような働きをしています。涙は目の表面で涙液層という層を形成して、目の粘膜上皮細胞に付いています。涙液層はさらに油層と液層に分かれており、油層は涙の蒸発を防ぎ、液層と粘膜上皮細胞は、それぞれムチンというたんぱく質を分泌して涙を目にくっつけています。このうちのどれかひとつでも正常に働かなくなると涙が目に定着しにくくなり、ドライアイが起こります。

涙の状態が不安定になる原因は、加齢やコンタクトレンズの使用による涙の分泌量低下と、エアコンによる空気の乾燥やパソコン・スマートフォンの長時間使用によるまばたきの減少による涙の蒸発しすぎによるものと考えられています。

このほかシェーグレン症候群などの自己免疫疾患の病気が原因で、涙腺に障害がおよび、ドライアイが起こることがあります。


症状

ドライアイの症状は目が乾く以外に、目がゴロゴロする、目が疲れる、充血する、目が開けにくいなどさまざまです。また、涙の状態が不安定になることで、視界がぼやける、物が見えにくい、視力が落ちるなど、目の見え方にも影響が出ます。

検査・診断

ドライアイでは、まず問診で目の不快感や見えにくさなどの自覚症状を確認します。つづいて次のような検査で涙の状態の異常や目の表面の状態を調べます。

●涙液層破壊時間(BUT)検査……時間経過による涙液層の壊れ具合をみます。10秒間目を開けたままにして、「目を開いてから、目の表面の涙の層が乱れるまでの時間(涙液層破壊時間:Break Up Time)」を測り、5秒以下の場合はドライアイの可能性があります。

●シルマー検査……専用のろ紙をまぶたのふちに挟み、5分間でろ紙がどのくらい濡れるかで涙の分泌量を調べます。

●細隙灯顕微鏡検査……スリットランプという顕微鏡を使って、色素(フルオレセイン)を点眼し目の表面の傷や涙の量を調べます。傷があればその箇所が染まって見えます。


治療

ドライアイの治療は点眼薬や涙点プラグによって行います。

点眼薬では、目に水分を補う人工涙液やヒアルロン酸に加えて、ムチンの生成や分泌を促す点眼薬を使用します。重症のケースではステロイド点眼薬を使うこともあります。

点眼薬で効果が得られない場合は、涙点プラグを使って涙の排出口である涙点を閉鎖し、涙の流出を抑え、目に涙をためやすくします。

このほか、シェーグレン症候群やスティーブンス・ジョンソン症候群といった病気が原因のドライアイでは、それぞれの病気の治療を行います。


セルフケア

予防

ドライアイは、加齢や環境、目の使いすぎなどさまざまな要因に由来します。パソコンやスマートフォンの長時間使用や、エアコンなどによる乾燥などの生活環境を見直して、ドライアイをひき起こす要因を排除することが重要です。とくに長時間パソコンやスマートフォンで作業をするときは、休憩を挟み、1時間に1度は目を休めるように心がけましょう。



監修

井上眼科病院 院長

井上賢治

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