眼瞼下垂がんけんかすい
最終編集日:2022/4/7
概要
眼瞼下垂とは、上まぶたの位置が下がり、瞳孔の上まで上げられない状態です。そのため瞳孔の一部、ひどい場合は半分以上がまぶたに隠れてしまいます。まぶたを持ち上げる筋肉、上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)の機能障害によるもので、よくみられる疾患です。片側だけに起こる場合もあれば、両側で起こる場合もあります。
眼瞼下垂には先天性のものと後天性のものがあります。
原因
眼瞼下垂が起こるおもな原因は次のとおりです。
・生まれつき上眼瞼挙筋の機能障害がある
・加齢によって皮膚や筋肉が弱くなった
・脳梗塞や筋無力症などによる神経の異常によって筋肉に障害が出た
それ以外に、ハードコンタクトレンズの長期使用や、白内障や緑内障、硝子体の手術なども眼瞼下垂の原因になることがあります。
症状
まぶたが重く感じる、まぶたを開けるのが困難、視界の上側が見えにくくなったなどの自覚症状があります。見えにくいため姿勢が悪くなり眼精疲労や頭痛、肩こりなどが起きやすくなることもあります。
検査・診断
顔を正面に向けた状態で上まぶたが瞳孔にかかるようなら眼瞼下垂であるため、問診や視診、触診、眼瞼の動きの計測で診断することができます。
・軽症:意識しないと瞳孔がまぶたで隠れるが、上げようとすれば隠れなくなる
・中等症:意識的に目を開けても瞳孔の上側の一部がまぶたで隠れてしまう
・重症:力を入れて目を開けても瞳孔が半分以上まぶたに隠れてしまう
治療
上眼瞼挙筋の機能障害や加齢などで眼瞼下垂が起こっている場合は、まぶたを上げる手術を行います。
また、脳梗塞や筋無力症など神経の異常が原因の場合は、まずその病気の治療を行ってから、状況に応じて、まぶたを上げる手術を検討します。
セルフケア
病後
術後はまぶたの腫れが起こります。一時的に涙や目やにが増えたり、ドライアイになったりすることもあり、自然な状態になるまでに1カ月ほどかかります。
監修
井上眼科病院 院長
井上賢治
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