麦粒腫(ものもらい)
ばくりゅうしゅ

最終編集日:2023/1/25

概要

麦粒腫はよくみられる病気で「ものもらい」とも呼ばれます。まぶたにある汗腺や脂を分泌するマイボーム腺などに細菌が感染して炎症を起こす病気です。汗腺やまつげの毛根に炎症が起きたものを外麦粒腫、マイボーム腺に起きたものを内麦粒腫と分類しています。

なお、ものもらいのなかには、マイボーム腺が詰まることによって腫れやしこりを生じる「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」という病気もあります。霰粒腫では細菌感染は起きていないので、麦粒腫のような急性の症状は現れません。

原因

通常、皮膚や毛髪、のど、鼻などに常在している常在菌が原因菌となります。なかでも黄色ブドウ球菌がもっとも多いとされています。黄色ブドウ球菌は感染力が弱く、通常ならば感染を起こしませんが、①まぶたや目の周囲に小さな傷がある、②汚れた手でまぶたをこする、③からだの抵抗力が落ちている、などの場合に感染して炎症を起こします。

症状

まぶたの重苦しさや違和感、まばたきをしたり指で押したりすると軽い痛みを感じることから始まります。その後、まぶたの一部が赤く腫れて痛みが強くなります。炎症が進むと、腫れは大きくなり、うみをもちます。うんだ部分が破れれば、痛みなどの症状も改善され、病変は徐々に治ります。

一般的に、内麦粒腫のほうが痛みが強いとされています。

検査・診断

まぶたの様子をみればおおよその診断はつきますが、細隙灯顕微鏡検査や眼底検査、眼圧検査を行い、ほかの病気が隠れていないか確認します。

治療

抗菌薬を用いて炎症を抑えます。点眼薬、眼軟膏が中心ですが、症状が強い場合や化膿が強い場合は内服薬を用いることもあります。

腫れが大きくて痛みが強い場合には、病変部を切開してうみを出す(排膿)処置を行います。切開部は小さく、点眼の麻酔薬を使うので、痛みはありません。外来で行われます。

セルフケア

予防

ふだん、顔や目の周囲を触る回数は思っているよりも多いといわれます。手指は常に清潔にし、汚れた場合は目を触らないようにしましょう。とくにコンタクトレンズの着脱の際には注意します。

規則正しい生活を送り、睡眠や休養をしっかりとり、栄養バランスのとれた食事をすることも体力を低下させないために重要です。また、汗腺やマイボーム腺に近い、まつげの際までアイメイクをすると、感染を起こしやすくなるので十分な注意が必要です。

監修

井上眼科病院 院長

井上賢治

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