霰粒腫さんりゅうしゅ
最終編集日:2022/4/11
概要
霰粒腫とは、まぶたに小さな硬い腫瘤(しこり)ができる病気です。上下のまぶたの内側にあるマイボーム腺(涙の脂分を分泌する器官)が詰まって、そこに炎症が生じて分泌物がたまり、肉芽種(にくげしゅ)を形成した状態で、乳幼児から高齢者まで幅広く発症します。
細菌感染によってまぶたが腫れる麦粒腫(ものもらい)とは異なり、感染を伴わない炎症のため、痛みはほとんどありません。ただし、霰粒腫に細菌が感染した場合は、麦粒腫と同様に腫れや痛みを生じます(急性霰粒腫)。
腫瘤が小さければ自然と消失することもありますが、大きい場合はステロイド剤の投与や手術が必要となることもあります。
原因
霰粒腫は、涙を形成する成分のひとつである脂分を分泌するマイボーム腺の出口が詰まり、炎症を起こし、肉芽腫を形成してしまうことで発症します。
原因としては、食生活やホルモンバランスの崩れで脂成分が変性することなどが挙あげられますが、原因不明なものも多くあります。
症状
霰粒腫のおもな症状はまぶたにできる腫瘤(しこり)と異物感です。ほとんどの場合、腫れや痛みはありません。
腫瘤はゆっくりと大きくなっていきます。症状が進むと腫瘤が破れて内容物が染み出て、まぶたが腫れたり、ポリープを形成したりすることがあります。
また、患部が細菌感染を起こして急性霰粒腫になると、赤くはれて痛みも出てきます。
検査・診断
問診で自覚症状の確認をした後、まぶたを触診し、しこりの位置や大きさを確かめたり、細隙灯顕微鏡を使って目の状態を調べることで診断を行います。
高齢者が再発をくり返すケースでは、脂腺がんと紛らわしいことがあります。その際は皮膚を採取して組織検査を行います。
治療
霰粒腫は腫瘤が小さければ自然に治まることもあるため、日常生活に問題がなければ、温湿布や抗菌薬の点眼などを行い、経過を観察します。
点眼治療で効果が得られないときや、腫瘤が大きいときは、副腎皮質ホルモン薬の注射や手術による腫瘤の摘出を行います。
セルフケア
予防
霰粒腫は無菌性ですが、疲れているときや抵抗力が落ちているときに発症しやすく、細菌感染を合併することもあります。花粉症の人やコンタクトレンズを使用している人は、目をこする癖があることも多いため、霰粒腫に注意が必要です。
監修
井上眼科病院 院長
井上賢治
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