咽頭結膜熱(プール熱)
いんとうけつまくねつ・ぷーるねつ

最終編集日:2022/3/15

概要

アデノウイルスの感染によって38~39℃の発熱、のどの痛み、結膜炎などをひき起こす病気が咽頭結膜熱です。プールでの接触やタオルの共用によって感染することもあるため、“プール熱”とも呼ばれます。

子どもに多くみられ、罹患年齢は5歳以下が約6割を占めます。6月頃から徐々に流行し始めて、7~8月にピークを迎えるとされています。感染力が強いため、周囲に広がることもあります。


原因

アデノウイルスが原因で発症します。ウイルスの種類や感染した人の特性によって、ひき起こす症状が変わってきます。

症状

潜伏期間は5~7日間です。おもな症状に発熱、咽頭炎(のどの腫れや赤み、のどの痛み)、結膜炎(目の充血、目やに、目の痛み)があげられます。

高熱が3~5日間つづくこともあります。頭痛や食欲不振が数日間みられるケースもあります。


検査・診断

症状、所見、流行状況などから判断されることが多い病気です。

短時間で結果が出るウイルスの迅速検査として、のどや目の分泌液を採取することもあります。血液検査を行い、ウイルス感染の抗体値を調べることもできます。


治療

アデノウイルスに対する特効薬はありません。のどの痛みがある場合のうがい薬や、痛みを抑える鎮痛薬、目やにや結膜炎には抗菌薬やステロイドの点眼薬、目のかゆみが強いときには抗ヒスタミン薬やステロイドの点眼薬が処方されます。

セルフケア

療養中

のどや消化器への刺激が少ないゼリーやプリン、冷めたおじや、豆腐などを利用しながら栄養をつけ、免疫力による回復を図ります。

ウイルスは咽頭から2週間、便から30日間程度は排出されつづけるため、赤ちゃんの場合はおむつの取り扱いなどに十分注意するようにします。

また、目やにも感染源となるため、顔をふいたりする場合にもティッシュペーパーなど使い捨てのものを使用しましょう。タオルを使う場合には家族と共用しないようにしましょう。


予防

プールから上がったときにはからだの清潔を保つため、シャワーを浴びてうがいをしましょう。とくに流行時には石けんによる手洗いとうがいをこまめにしてください。目をこすったり、手で触れないようにしましょう。

また、ふだんから水分の補給や栄養のバランスをとることが大切です。


監修

川崎医科大学 小児科学 教授

中野貴司

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