ヒトメタニューモウイルス感染症ひとめたにゅーもういるすかんせんしょう
最終編集日:2025/1/10
概要
ヒトメタニューモウイルスが呼吸器に感染して起こる病気です。
おもに乳幼児・小児が感染します。生後6カ月前後から患者発生がみられ、10歳くらいまでにほぼ100%が感染するといわれています。
成人が感染することもあり、高齢者では重症化例もみられます。
1年を通じて感染が起こりますが、3、4月に患者数が増加することが知られています。
原因
ヒトメタニューモウイルスが原因となります。感染は飛沫・接触で起こります。
感染を疑う症状があれば小児科を、成人の場合は内科を受診します。受付で呼吸器感染症の症状があることを申し出ましょう。
症状
潜伏期間は4~6日で、のどの痛み、咳、発熱、鼻水が現れます。咳は1週間前後続くことが多いようです。
重症化すると、症状が下気道(気管支や肺)にまで及び、喘鳴(呼吸の際にゼーゼー・ヒューヒューという音が出る)や呼吸困難が起こります。小児では急性中耳炎を併発することもあります。
検査・診断
迅速診断キットがあり、鼻・のどのぬぐい液や痰を用いて、5~15分で確定診断がなされます。
症状が強い場合や高齢者では、重症度をみるために、胸部X線検査やCTが併用されます。
ほかのウイルスや細菌による呼吸器感染症との鑑別が必要です。
治療
ヒトメタニューモウイルスに対する治療法はまだありません。保温と安静を保ち、解熱薬や咳止め薬、痰切り薬などを用いた対症療法が中心となります。脱水に陥らないようにすることも大切です。重症化しなければ、1週間程度で症状は改善されます。
呼吸困難などがあって症状が強い場合には、入院加療が必要になることもあります。
セルフケア
予防
感染が懸念される時期には、外出時にマスクを着用し、帰宅したら手洗い・うがいを忘れないようにします。
1回の感染では十分な免疫が得られないため、複数回、感染する可能性があります。しかし成長するにつれて、感染頻度は低下し、症状も軽くなっていきます。
なお、インフルエンザなどと異なり、登園・登校の出席停止期間の決まりはありません。ウイルスの排泄期間は、感染後7~14日間程度とされていますが、症状が軽快したら登園・登校することが多いようです。
※2025年1月10日時点の内容です。
監修
川崎医科大学 小児科学 教授
中野貴司
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