軽度認知障害
けいどにんちしょうがい

最終編集日:2022/8/26

概要

軽度認知障害(MCI)のおもな症状は、日常生活にはほとんど影響がない程度の物忘れで、その定義は次の5つです。

①本人または家族による物忘れの訴えがある

②日常生活動作は自立している

③全般的な認知機能は正常

④年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する

⑤認知症ではない

これを放置すると認知機能の低下がつづき、毎年、軽度認知障害のうち10~15%の人が認知症に移行するといわれています。


原因

アルツハイマー病や脳梗塞、脳血管障害など、さまざまな病気が原因で認知機能が低下し、日常生活にも支障をきたす状態が認知症です。軽度認知障害もまた、認知障害でみられるような脳の変化が原因であると考えられていますが、認知症と比べてその程度が軽いことが特徴です。

症状

認知機能の低下によって、料理の味つけが変わった、薬の飲み忘れが多い、同じ質問をくり返すなどの症状がみられます。ただし軽度認知障害の場合は、これらの症状があっても日常生活への支障はほとんどなく、本人にも物忘れの自覚があります。一方でこれまでつづけてきた趣味を楽しまなくなる、やる気がわかなくなるなど、うつ病のような無気力な症状が現れることもあります。

検査・診断

本人や家族が少しでもおかしいと感じたら、まずはかかりつけ医に相談するとよいでしょう。必要に応じて、専門の医療機関を紹介してくれます。かかりつけ医がいない場合は、お住いの地域にある地域包括支援センターや自治体の相談窓口に相談することもできますし、日本認知症学会や日本老年精神医学会のホームページでも専門医や専門病院が紹介されています。

医療機関を受診すると、問診後、認知機能検査や血液検査、脳の萎縮や脳血管に病変がないかを調べる画像診断(CT、MRI)、脳の血流を調べるSPECT(スペクト)検査などを行います。これらの検査は保険診療で受けることができます。

検査の結果と日常生活の状態を総合的にみて、「認知症ではないが、認知機能が年齢相応とはいえない」と判断されると軽度認知障害と診断されます。


治療

軽度認知障害は、早めに診断を受け、適切な治療を始めることが進行を遅らせる手立てとなります。場合によっては、認知機能の低下を防ぐための薬を使うこともあるかもしれません。また、生活習慣病など内科的な病気によって認知機能の低下がみられる場合は、その治療も始める必要があります。

セルフケア

予防

物忘れの症状が気になりだしたら、食生活の見直しや適度な運動、人とコミュニケーションなどで、認知機能の改善や維持を図りましょう。

・糖質をとりすぎないようにする一方で、たんぱく質やビタミンなどの必要な栄養素をしっかりとる

・散歩など、生活習慣にあわせた適度な運動を習慣づける

・無理なく楽しめる趣味をもつ

・地域の行事に参加するなど、人とのコミュニケーションで脳に刺激を与える


監修

赤坂溜池クリニック 院長

降矢英成

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