物忘れか認知症か判断の目安は?
77歳の父が最近、物忘れが多くなっています。加齢による単なる物忘れなのか、認知症などの初期症状なのかの判断は、どのようにつければいいでしょうか? 認知症が疑われる場合、何科に相談すればいいのでしょうか?
女性/40代
2023/08/29
人間の脳は、年齢を重ねるごとに次第に機能が低下し、物忘れが多くなります。これは、誰にでも起こる生理的な現象です。一方、認知症は脳の神経細胞が何らかのダメージを受けることで病的な物忘れが現れ、日常生活や社会生活に支障をきたすようになります。
加齢に伴う変化と、認知症の初期症状を見極めることは大変難しいものの、一般的には、以下のような特徴があるといわれています。
【加齢に伴う物忘れ】
●物忘れは部分的で、何かきっかけがあれば思い出す。
●日時、場所、家族の顔を忘れるようなことはあまりない。
●物忘れの状態を自覚できる。
●日常生活や社会生活に支障をきたすことが少ない。
【認知症による物忘れ】
●物忘れは記憶の全体に及ぶことが多い。
●物忘れは持続的で、直前のことを忘れ、次第に過去の記憶も忘れる。
●日時、場所、家族の顔なども忘れることが多い。
●物忘れの状態を自覚できない。
●日常生活や社会生活に支障をきたし、介助が必要になる。
たとえば、食事についての記憶では、加齢に伴う物忘れでは、何を食べたかは思い出せなくても、食事をしたことは覚えています。認知症の物忘れでは、食事をしたこと自体を忘れてしまいます。
認知症は、適切な診断をして、早い時期から治療を始めることで症状の進行を遅らせることが可能です。物忘れが加齢によるものか、認知症の徴候なのか、ご家族では判断がつかないことも多いため、まずはかかりつけ医に相談されるのがいいでしょう。認知症が疑われる場合、かかりつけ医のもとで治療ができるかもしれませんし、状況によっては専門医を紹介してもらえるでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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