片側の耳に耳鳴りや耳閉感。何かの病気？

抗生剤や利尿薬などを内服していないにも関わらず、突然、片側の耳に聞こえにくさや耳鳴り、耳閉感といった症状が出現する可能性のある病気として、突発性難聴、メニエール病が挙げられます。

突発性難聴では、片側の耳が聞こえにくくなる症状に前後して耳鳴りや耳閉感が起こることが多く、約半数でめまいを伴うといわれています。明らかな原因は不明ですが、ウイルス感染や末梢の循環不全との関連があるといわれ、睡眠不足や疲労の蓄積、多量の飲酒、糖尿病のある人に多くみられます。

耳の中にある内耳という部分の組織に障害が起きることで、上記の症状が現れます。そのため、突発性難聴を発症後、治療しないまま時間が経過してしまうと聴力障害が強くなる場合もあるので、症状が出てからなるべく早く受診し、治療を開始することが大切です。

メニエール病も、突発性難聴とよく似た症状で、回転性の激しいめまい、難聴、耳鳴り、耳閉感を伴います。内耳にある三半規管と蝸牛（かぎゅう）という組織の内部が水ぶくれのような状態となることで種々の症状が起こるといわれており、ストレスや疲労、ホルモンバランスの崩れが関連していると考えられています。

メニエール病も、初めて症状が起こったときにはほかの病気と区別する必要があり、 時間経過とともに難聴が進行することもあるので、早い段階で適切な治療を受けることが必要となります。

ご相談者の場合、めまいの症状はないようですが、受診の要否のポイントとしては、急に起こった耳鳴りや耳閉感に対し、上記のような速やかな治療が必要となる病気でないかを確認してもらうとよいでしょう。また、心臓の鼓動に似た耳鳴りの場合、耳の中や聴覚神経の近くの血流の音を聞いている場合があります。治療しなくてよいものから、聴覚神経近くの血管に何らかの異常が起こり、治療が必要な場合もあるため、耳鼻科を受診し、ほかの診療科を紹介してもらう必要があるかどうか相談していただくことをおすすめします。