音響外傷

おんきょうがいしょう

最終編集日:2022/9/21

概要

大きな音を長時間聞くことで難聴を起こす病気を音響外傷といいます。

音響外傷は内耳の蝸牛にある有毛細胞が障害を受けて起こる難聴のひとつで、感音難聴に分類されます。

音響外傷は「急性音響外傷」と「慢性音響外傷」に大別されます。

急性音響外傷は、コンサートやクラブのライブなどで大音量を聞いた後に起こります。ほかにも、花火や銃の暴発によって起こることもあります。難聴の程度が軽ければ、時間の経過で有毛細胞が修復され、元に戻ります。

慢性音響外傷は、「ヘッドホン難聴」「スマホ難聴」などともいわれ、明らかな大音量でなくても、毎日のようにヘッドホンやイヤホンを長時間使いつづけることで、徐々に蝸牛にある有毛細胞が傷つけられ発症します。

通常から耳の聞こえの悪さを感じたり、大音響を聞いた翌日以降も明らかに聞こえが悪かったり、耳の痛みや耳鳴りをともなったりする場合は治療が必要です。放置せずに耳鼻咽喉科専門医の診断を受けることをおすすめします。


原因

ロックコンサートやクラブで大音量を聞いたり、スマートフォンや音楽プレーヤーでヘッドホンやイヤホンを使用してボリュームを上げて長時間聞きつづけたりすることで、蝸牛にある有毛細胞が障害を受けることが原因といわれています。

症状

大きな音を聞いた直後に、強い耳鳴りがして聞こえが悪くなる、低音だけ、あるいは高音だけなど、ある音域だけ聞こえない、などの症状が現れます。また、耳の痛みや耳が詰まった感じがすることもあります。

慢性化したり、適切な治療を行わなかったりすると、さらに聞こえが悪くなり、音がこもったり、ゆがんで聞こえたりなどの症状が出ることもあります。

相手の言葉が不明瞭に聞こえるため、会話を理解しにくく、コミュニケーションに支障が出るようになります。


検査・診断

問診で発症状況を確認し、防音効果のある検査室で聴力検査が行われます。音の高さごとに、どれくらいの強さの音なら聞こえるかを調べます。

ほかにも平衡機能検査、脳の病気が疑われる場合にはCT検査、MRI検査などが行われることもあります。


治療

現在、障害を受けた有毛細胞を元に戻す有効な治療方法はありません。

おもに薬による治療が中心です。

薬は症状にあわせて、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)、利尿薬、ビタミン薬、血流改善薬などが使われます。

症状が改善したから、またはよくならないからといって自己判断で服用を中止すると、かえって悪化する危険もあるので、医師の指示に従ってください。


セルフケア

予防

急性音響外傷の原因となるコンサートやクラブのライブでは、できるだけスピーカーの近くを避けることが大切です。

また、最近増えている「ヘッドホン難聴」「スマホ難聴」と呼ばれる慢性音響外傷の予防のためには、できるだけヘッドホンやイヤホンの使用頻度を下げましょう。急性音響外傷と違い徐々に聞こえが悪くなるため、気づきにくいのが特徴です。少しでも聞こえに異常を感じたら、早めに耳鼻咽喉科を受診して検査を行いましょう。


監修

耳鼻咽喉科日本橋大河原クリニック 院長

大河原大次

本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。

この傷病に関連したQ&A

みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。