陰嚢水腫・精巣水腫
いんのうすいしゅ・せいそうすいしゅ

最終編集日:2024/6/23

概要

精巣(睾丸)を包む袋である「陰嚢」や、精巣につながる血管や精管(精子の通り道)、リンパ管が束になっている「精索」のなかに水(漿液〈しょうえき〉)がたまった状態を指します。陰嚢内にたまるものを陰嚢水腫(瘤)、精索にたまるものを精索水腫(瘤)と呼んで区別することもあります。

また、精巣水腫が腹腔内とつながっている交通性精巣水腫と、つながっていない非交通性精巣水腫に分けられます。

小児期にみられる陰嚢水腫は交通性が、成人では非交通性が多いとされています。

原因

胎生期(胎内にいる時期)に、男児の精巣は腹腔内で発生し、その後、陰嚢に向かって、腹膜と一緒に下に下がってきます。その後、この腹膜(腹膜鞘状突起といいます)は自然に閉鎖しますが、閉鎖しないか、閉鎖が不完全な場合があり、そのために腹膜内の漿液が陰嚢内に下がり、たまって水腫(水瘤)を形成します。これが交通性精巣水腫となります。

成人の非交通性精巣水腫の場合は、精巣や精巣周辺の炎症、精巣腫瘍、嚢胞性病変、外傷、手術などが原因になります。

症状

陰嚢が腫れることで気がつきます。違和感や圧迫感を伴うことがありますが、痛みはありません。

小児の交通性精巣水腫の場合、朝よりも夕方のほうが腫れが強くなる傾向にあります。

検査・診断

問診、視診と触診を行います。小児の場合、陰嚢に光を当てると赤く透けて見えるのが特徴です。その後、超音波(エコー)検査で陰嚢内の状態を精査します。

小児の場合、同じ原因で起こる鼠径(そけい)ヘルニアとの鑑別が重要です。また、停留精巣を合併することがあるため、精巣の位置を確認します。小児・成人、いずれも精巣腫瘍、精巣上体炎という感染症、精索捻転などを否定する必要があります。

治療

小児の場合、多くは2歳くらいまでに腹膜鞘状突起が閉鎖して自然に水腫が消え、治癒します。たまった漿液は注射器で抜く必要はありません。抜いてもまたすぐにたまって、子どもに恐怖心を抱かせるだけになってしまいます。また、腹腔内感染症や腸管損傷のリスクがあります。

3歳になっても水腫が消えない場合や、鼠径ヘルニア、停留精巣を伴っている場合には、手術を行い、腹膜鞘状突起を縛って閉鎖させます。

成人の場合、注射器でたまった漿液を抜く対症療法も行われますが、数週間でまたたまってしまうため、手術で水腫を取り除くのが一般的です。

セルフケア

療養中

小児の陰嚢の腫れは、腹膜鞘状突起の閉鎖不全で起こることが多く、陰嚢水腫のほかに鼠径ヘルニアがあります。鼠径ヘルニアは通常、痛みを伴い、泣くなどで腹部に力が入ると腫れが大きくなるのが特徴です。

監修

小山嵩夫クリニック 院長

小山嵩夫

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