月経痛
最終編集日:2024/1/19
概要
月経が始まると下腹部に痛みを生じる「月経痛(生理痛)」は多くの女性が経験するものです。痛みの感じ方には個人差がありますが、なかには日常生活に支障をきたすほどの症状が出るケースもあり、これを「月経困難症」と呼んでいます。月経困難症には大きく分けて2つの要因があります。
●機能性月経困難症
月経時に子宮内膜から分泌されるプロラスタグランジンというホルモンが過剰であることが原因です。プロラスタグランジンには子宮の収縮を促す働きがあるため、収縮度が高くなって血流が阻害されるために痛みが起こります。15~25歳くらいの女性に多くみられる症状です。
●器質性月経困難症
子宮内膜症や子宮筋腫など、ほかの疾患の影響で痛みが強くなるものです。20歳代後半以降の女性に多く、子宮の病気のほか卵巣の病気や骨盤の炎症、全身性の疾患など、さまざまな病気が原因となります。
受診の目安
救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診
・痛みがひどく、大量に出血している
医療機関を受診
・日常生活に支障が出るほどの痛みがある
・痛みがどんどん悪化している
・月経時以外にも痛みがある
・吐き気や頭痛、食欲不振などの症状がある
様子をみる
・痛みはあるが我慢できないほどではない
・月経血の減少とともに痛みも軽減されてきた
セルフケア
過度のストレスや不安など心理・精神面の問題を取り除くよう心がけ、生活習慣を見直すことも大切です。子宮内膜症の場合は将来の不妊につながることも多いので、ひどい月経痛が1年以上もつづいている場合は、子宮内膜症かどうかの診断を受けておくとよいでしょう。
考えられる病気
監修
小山嵩夫クリニック 院長
小山嵩夫