月経困難症げっけいこんなんしょう
最終編集日:2022/1/11
概要
月経困難症は、月経期間中に月経に伴って起こり、安静を要したり、日常生活が困難または制限されたりする症状をいいます。
下腹部の痛みをはじめ、腰痛、頭痛、吐き気、嘔吐、胃痛、腹部膨満感、疲労、下痢、めまい、イライラ、抑うつなどさまざまな症状が出るのが特徴です。うち軽度の月経痛は月経のある女性の7~8割にみられます。
原因
病的異常を伴わない「機能性月経困難症」は、月経時、子宮内膜のプロスタグランジンといわれる物質の産生が増加し、それが血中に入り、痛みをひきおこす物質を増加させたり、子宮筋を収縮させ月経痛の原因になるといわれています。
月経困難症の多くはこのタイプで、10代の若い女性に多くみられます。
一方、病的状態を伴うものは「器質性月経困難症」と呼ばれ、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、また子宮奇形による月経血の流出障害や、クラミジア感染症による癒着など、ほかの病気や機能障害が原因となっている場合もあります。こちらは30歳以降の女性に多くみられます。
症状
下腹部痛、腰痛、頭痛、吐き気、嘔吐、胃痛、腹部膨満感、疲労、下痢、めまい、イライラ、抑うつなどさまざまな症状があります。
検査・診断
自覚症状についての問診を行い、月経困難症の原因となり得る子宮筋腫や子宮内膜症などの病気の有無を調べます。
具体的に内診、視診、血液検査、画像診断、腹腔鏡検査などを行います。病気が原因となっている場合は「器質性月経困難症」、病気との関連がない場合は「機能性月経困難症」と診断されます。
治療
ほかの病気が原因となっている場合は、その病気の治療を行いながら症状の軽減を図ります。
妊娠希望の有無や病気の重症度などによって治療は異なります。
鎮痛剤やピル、漢方薬、GnRHa療法など薬による治療を中心に、子宮や卵巣の摘出手術も選択肢として検討されます。
病気が原因ではない場合は、鎮痛剤やピル、漢方薬を使って症状の緩和を図ります。NSAID(非ステロイド性消炎鎮痛薬)は、月経困難症の女性の約80%に有効といわれています。
セルフケア
予防
月経痛は、子宮や骨盤内の血流をよくすることで軽減されます。日頃から腰や下腹部を冷やさないようにし、定期的なストレッチをして血流促進を図りましょう。
気になる症状があれば、婦人科を受診するようにしてください。ほかの病気が原因となっている場合には早期発見・早期治療が月経困難症の改善につながります。
監修
Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科
秋野なな
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