聞こえが悪い
最終編集日:2024/1/19
概要
「耳が聞こえない」「聞こえが悪い」という症状は、一般に難聴と呼ばれます。難聴は徐々に聞こえなくなる場合と、突然聞こえなくなる場合があり、年齢によって原因や症状もさまざまです。
●学童期
この時期の難聴は、耳の痛みや耳だれを放置することによって起こる慢性中耳炎が疑われます。鼓膜に穴が開いているだけなら聴力の回復が望めますが、治療せずに炎症が長期間つづき神経が障害を受けると、回復しない難聴状態になります。
スポーツなどで受けた外傷で鼓膜が破れ、聞こえが悪くなる外傷性鼓膜穿孔が多いのもこの世代の特徴です。
また、自分では聞こえが悪いと感じない心因性の難聴も増えています。家庭内外での心理的なストレスが原因と考えられています。
●青年期
コンサートなどで大音響にさらされた後に、急に耳が聞こえなくなることがあります。これを音響性外傷といいます。また、常にイヤホンなどで大きな音で音楽を聴いていると、徐々に聞こえが悪くなる騒音性難聴になることもあります。
なお、ある日急に耳が聞こえなくなった場合は、突発性難聴が疑われます。
●中年期以降
難聴にめまいや耳鳴りが加わると、メニエール病が疑われます。メニエール病の原因はわかっていません。この発作をくり返すのがこの病気の特徴です。また、騒音が激しい職場や環境に長年いたことで起こるのが騒音性難聴です。職業性難聴と呼ばれることもあります。一度発症すると完治がむずかしい難聴なので、そうした環境に身をおかないようにすることが大切です。
中年期以降、個人差はありますが徐々に聞こえは悪くなっていきます。これが老人性難聴です。
受診の目安
医療機関を受診
・突然聞こえなくなった
・耳の痛みや耳だれがつづき、聞こえが悪くなってきた
・いつも大きな音で音楽を聴いている
・聞こえが悪くめまいや耳鳴りもする
・長年騒音のなかで働いてきたので聞こえが悪い
様子をみる
・年齢とともに聞こえが悪くなった気がする
セルフケア
●学童期
放置してしまうと元に戻らなくなることがあるので、早めに耳鼻咽喉科の診察を受けましょう。
●青年期
突発性難聴は、症状が起こってから1週間以内に治療を始めると回復が早いといわれています。それを過ぎると元に戻らなくなるので、すぐに耳鼻咽喉科で治療を始めてください。
●中年期以降
老人性難聴は回復が見込めないことが多く、補聴器などで聞こえの悪さを補うことが必要になります。
考えられる病気
監修
湘南医療大学 副学長 茅ヶ崎中央病院
喜多村健
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