顕微鏡的多発血管炎の治療中…日常生活の注意点は?

女性/60代
2025/04/08

指定難病である「顕微鏡的多発血管炎」の治療中です。日常生活で注意したほうがよいことがありましたら、アドバイスをお願いします。

この質問への回答

東海大学 医学部血液腫瘍内科 教授 川田浩志

顕微鏡的多発血管炎(MPA)は、毛細血管など細い血管の壁が炎症を起こし、腎臓や肺、皮膚、神経系など、さまざまな臓器に影響を及ぼす病気です。薬物療法を中心とした治療が行われ、「寛解(完治していないが病状が安定している状態)」を治療の目標とします。寛解を維持するために、医師の指導どおりの治療を続け、定期的な診察を欠かさないことが大切です。


日常生活においては、かぜインフルエンザなどの感染症の予防はとくに重要です。MPAの治療ではステロイドや免疫抑制薬が使用されるため、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。外出時のマスク着用、帰宅時の手洗い・うがいを徹底し、感染症の流行期には人混みを避けるなどの対策も有効です。インフルエンザや肺炎球菌ワクチンなどの接種について、主治医に相談し検討されるとよいでしょう。 

また、薬物療法の影響で、高血圧症脂質異常症糖尿病といった生活習慣病の発症や悪化のリスクもあることから、生活習慣の見直しも大切です。塩分や糖分、脂肪の摂取を控え、バランスのとれた食事を心がけましょう。また、適度な運動を取り入れることも重要ですが、体調と相談しながら無理のない範囲で行いましょう。

さらに、長期的なステロイドの使用で骨粗鬆症のリスクが上がるため、カルシウムやビタミンDを適切に摂取し、定期的に骨密度測定を受けることが推奨されます。また、目の合併症として白内障緑内障のリスクも上がるため、眼科での定期的な検診も欠かさないようにしましょう。


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