<p>血液から赤血球などの血球成分を取り除いた部分である血清に含まれる、たんぱくの総称を総たんぱく(TP)といいます。血液中には100種類以上のたんぱくが含まれており、それぞれが生命維持に重要な役割を果たしています。<br>血清中でもっとも多いたんぱく（約60～70％）は、おもに肝臓でつくられるアルブミンで、次に多いのがグロブリンです。グロブリンは肝臓のほか骨髄などでもつくられ、体内に入ってきた細菌などの異物を排除する免疫機能の役割をもっています。<br>総たんぱくとともに、アルブミンとグロブリンの比率をみることで、栄養不良や肝臓や腎臓の状態を知ることができます。<br>検査は血液を採取して、血清中のアルブミンとグロブリンの量を測定して計算します。<br>・アルブミン／グロブリン比（A/G比）＝ アルブミン値 ÷ グロブリン値<p><br></p><h4>基準値</h4><p>1.20～2.00<br>（日本予防医学協会）<br>健康な状態ではアルブミンが多いので、数値は1以上ですが、肝機能に異常があるとグロブリン値がアルブミン値より高くなり、1以下になります。また、腎機能の低下もアルブミン値が低くなる原因と考えられます。</p><br><h4>基準値より低い場合に疑われる病気など</h4><p>慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、ネフローゼ症候群、甲状腺中毒症（甲状腺機能亢進症）、膠原病、慢性的な栄養不足など</p></p>

アルブミン／グロブリン比（A/G比）

<p>腎臓は血液中の不要な物質や老廃物、過剰な塩分などをろ過して、尿中に排出しています。たんぱく質などの生命活動に欠かせないものは再吸収されるため、通常、たんぱく質はほとんど排出されませんが、腎臓の機能に異常があると、多量のたんぱく質が尿中に漏れ出てきます(尿たんぱく)。尿に含まれるたんぱく質の有無を調べることで、腎臓や尿路(尿管・膀胱・尿道)の異常を見つける手がかりになります。<p><br></p><h4>検査でわかること</h4><p>検査は、採取した尿に試薬のついた検出紙を浸し、変色の具合で判定します。<br>陰性(－)であれば異常なし、陽性(＋)であれば要注意～異常ありとなります。陽性反応が出た場合は、再検査もしくは１日分の尿中のたんぱく量を調べる定量検査を行います。<br>なかには、腎臓に病変がないのに尿たんぱくが陽性(＋)になる場合があります。これは、生理的たんぱく尿といわれ、激しい運動をしたり、寝たきり状態で体位を変えたりしたときにみられる、病気ではない尿たんぱくです。</p><br><h4>基準値</h4><p>陰性(－)<br>(日本人間ドック・予防医療学会)</p><br><h4>検査結果が陽性(＋)の場合に考えられる病気</h4><p>腎臓病(慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症など)、尿路感染症(腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎)、尿路結石など</p></p>

尿たんぱく

<p>潜血とは、目には見えないけれど血液(赤血球)が混じっている状態をいいます。腎臓や尿路(尿管・膀胱・尿道)に異常があると、出血することがあります。尿潜血は、尿に混じった血液を検出する検査です。<p><br></p><h4>検査でわかること</h4><p>採取した尿に試薬のついた検出紙を浸し、変色の具合で判定します。<br>陰性(－)であれば異常なし、陽性(＋)であれば要注意～異常ありとなります。陽性反応が出た場合は、尿沈渣で尿中の赤血球数を調べます。<br>尿潜血検査では、わずかな量であっても血液を検出できるため、病気とは呼べない程度の尿潜血ということもあります。</p><br><h4>基準値</h4><p>陰性(－)<br>(日本人間ドック・予防医療学会)</p><br><h4>検査結果が陽性(＋)の場合に考えられる病気</h4><p>腎臓・尿路系の炎症や結石、腫瘍など<br>・溶血性貧血など血液の病気<br>・性器出血など</p></p>

尿潜血

<p>クレアチニン(Cr)は、筋肉が運動するためのエネルギー源として利用されたたんぱく質(クレアチン)が代謝されてできた物質です。通常、老廃物として腎臓でろ過され、尿とともに排泄されますが、腎臓の機能が低下すると血中にとどまり、クレアチニンの濃度が上昇します。<p><br></p><h4>検査でわかること</h4><p>この検査は腎臓機能を評価する指標となります。筋肉量が多いほど量も多くなるため、男性の基準値は女性にくらべてやや高めとなります。<br>検査は血液を採取して血中濃度を測ります。</p><br><h4>基準値</h4><p>男性 1.00㎎/dL以下<br>女性 0.70㎎/dL以下<br>(日本人間ドック・予防医療学会)</p><br><h4>基準値より高い場合に疑われる病気</h4><p>急性・慢性糸球体腎炎、腎不全、うっ血性心不全、肝硬変など</p><br><h4>基準値より低い場合に疑われる病気</h4><p>筋ジストロフィーなどの筋肉の病気、尿崩症など</p></p>

クレアチニン

<p>各種の健康イベントや病院、薬局、公共施設など、さまざまな場所で「血管年齢」の測定が行われています。「人は血管とともに老いていく」ともいわれており、興味のある人も多いのでは。血管年齢の測定は、どの程度の正確性を持っているのでしょうか。 </p><br/><p> 家庭用の測定器を含め、血管年齢の測定法として広く用いられているのが、指先を検査器に入れて計測する方法。加速度脈波計と呼ばれる検査機器を用いて、指先の脈拍から血流の速さを測定して、血管年齢を推定します。測定時間が数十秒と短いのがメリットですが、緊張や運動などの影響で測定値に誤差が生じやすい面もあります。そのため、自分の動脈硬化のおおよその程度を知ることで、健康意識を高め、生活改善等につなげることが目的です。 </p><br/><p> 一方、医療機関で動脈硬化の診断や経過をみるために行う検査としては、両手足の血圧を同時に測定する血圧脈波検査が一般的です。この検査では、血管の硬さの表す「CAVI」と動脈の詰まり具合の示す「ABI」という2つの指標が示されます。測定値の誤差が少ないため、動脈硬化の指標としてはより正確といえるでしょう。 </p><br/><p>ほかに、医療機関での検査では、必要に応じて、血液検査、胸部および腹部Ⅹ線、心電図、血圧脈波検査、眼底検査、頭部CT（MRI）、超音波（エコー）、血管撮影、サーモグラフィーなどが行われることもあります。動脈硬化をより正確に診断するためには、医療機関できちんと調べるのが正解といえそうです。 </p>

血管年齢測定の実力は？

<p>10月は<a href="https://kateinoigaku.jp/disease/78">脳卒中</a>月間です。</p><p>これから寒くなると脳卒中が起こりやすくなります。脳の血管が詰まったり、破れたりすることで起こる、<a href="https://kateinoigaku.jp/disease/79">脳梗塞</a>や<a href="https://kateinoigaku.jp/disease/346">脳出血</a>、<a href="https://kateinoigaku.jp/disease/602">くも膜下出血</a>などをまとめて「脳卒中」と呼びます。日本人の死因の上位にあがる病気であり、決して他人事ではありません。ご自身や大切な人が脳卒中を患うことがないよう、食事にひと工夫して予防しましょう。</p><br/><p>●食塩の過剰摂取を控える</p><p>脳卒中の最大の原因は高血圧といわれます。塩分の過剰摂取は高血圧のリスクを高めるため、塩分の多い食事には気をつけましょう。</p><p>特にアルコールと一緒に楽しむ「おつまみ」は塩分が高く、加えて脂質の高い揚げ物も好まれます。とりすぎには十分に注意して適量を心がけてください。塩分摂取の目標は、1日6g未満という考えもあります。日本人の多くが基準を超える傾向にあるため、血圧が正常な健康な人でも減塩を心がけることをおすすめします。</p><p>調理の際は、天然のだしを使ったうまみを利用する、酸味や香辛料を使うなど、塩味に代わる味付けで塩分を減らしていきましょう。</p><br/><p>●積極的に取り入れたい食材</p><p>青魚、野菜、果物、海藻類、大豆製品には脳梗塞を予防する効果があります。血液をサラサラにしたり、余分な塩分（ナトリウム）を体外に排出する働きを持つカリウムを豊富に含んでいたりします。これらを上手にとり入れた、主食、主菜、副菜で栄養バランスのよい食事を心がけましょう。</p><br/><p>太りすぎも、やせすぎもよくありません。食事は腹八分目を目安に、カロリーオーバーにならないよう、適切なエネルギーを摂取しましょう。</p>

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