白内障

はくないしょう

最終編集日:2022/4/11

概要

白内障とは、目のなかでレンズの役割をする水晶体が濁って、光が通りにくくなり、視力が低下する病気です。

日本では、加齢に伴って発症率が上昇し、70歳代の80%以上で発症します。目の老化現象ともいえるでしょう。

白内障の原因はさまざまですが、もっとも多い原因は加齢です。このほか、外傷(目のけが)、糖尿病などの疾病、紫外線、放射線、ステロイド剤の使用などが原因で白内障となることがあります。

原因

白内障の原因は90%以上が加齢によるものです。水晶体の老化は、実は10歳代後半から少しずつ始まっています。60歳以上になると水晶体が濁り始め、70歳代以降の高齢者ではほとんどの人に白内障の症状がみられます。

そのほか次のような原因で起こることがあり、症状の進行や発症年齢もそれぞれ異なります。

●糖尿病性白内障

糖尿病で高血糖状態が慢性化し、糖の代謝に異常をきたすことで白内障を発症するといわれています。

●アトピー性白内障

アレルギー反応や、患部をかくといった刺激が白内障を誘発するといわれています。

●外傷性白内障

強い衝撃を受けて水晶体が混濁するなど目のけがが原因で発症します。

●先天性白内障

遺伝的な要因や、代謝異常、胎内での感染(風疹など)などにより生まれつき水晶体に濁りがある状態です。

●その他

紫外線による刺激、放射線の被ばく、ステロイド剤の副作用、ぶどう膜炎、網膜剥離、網膜変性症、緑内障などの合併症として白内障が起こることがあります。

症状

白内障は、水晶体の混濁の状態や程度によってさまざまですが、おもに、ものが見えにくい、二重・三重に見える、目がかすむ、視力が低下する、光をまぶしいと感じる、目が疲れる、頭痛がするなどの症状がみられます。また、色の区別がつきにくい、暗くなるとものが見えにくいといった症状がある場合もあります。

白内障には痛みなどの自覚症状がありません。また、徐々に進行していくため、変化に気がつかないことがあります。とくに片方の目が正常な状態のときに気がつかないことが多くなります。

白内障
白内障

検査・診断

白内障では視力検査を行い、視力の低下の有無を確認します。つづいて水晶体の混濁の程度を、細隙灯顕微鏡を使って観察します。このほか、眼底検査で網膜の状態を確認し、白内障以外の病気がないかを調べます。


治療

白内障は薬によって進行を抑えることはできますが、水晶体の混濁を改善することはできません。そのため視力の低下などが進んでいる場合は、手術による治療を行います。

現在、白内障の手術は飛躍的に進歩していて、短時間の手術でその日のうちに帰宅できるようになっています。

主流となっている超音波乳化吸引術では、数mmの切開部から手術器具を入れ、超音波で水晶体を破砕・吸引した後、眼内レンズという人工のレンズを挿入します。眼内レンズは、色や素材などさまざまな種類があるため、目の状態や術後の生活に応じて適切なものを選択できます。さらに、眼内レンズは半永久的に使用できるため、手術は原則1回だけですみます。


セルフケア

療養中

糖尿病性白内障を予防するためには、まずは糖尿病を発症しないために、バランスのよい食事や適度な運動を心がけましょう。糖尿病の発症後であっても生活習慣の改善が進行を遅らせることにつながります。

予防

強い紫外線は、白内障の発症因子になることがわかっています。紫外線の強い春から夏は、日傘やサングラス、つばの広い帽子などで日光から目を守りましょう。

また目を酷使することも発症リスクを高めるため、眼精疲労に注意し、意識的に目を休ませることも重要です。


監修

井上眼科病院 院長

井上賢治

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