後腹膜腫瘍
こうふくまくしゅよう

最終編集日:2022/1/11

概要

膵臓や腎臓、副腎などの臓器がある後腹膜内に発生した腫瘍を、総称して後腹膜腫瘍と呼びます。

脂肪、筋肉、血管、リンパ管、骨、神経などの細胞に発生することが多く、良性と悪性があります。良性のものには、神経鞘腫、血管腫、脂肪腫、奇形腫などが、悪性のものには、悪性リンパ腫や脂肪肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫などがあります。

年間の新規発症者は10万人に1人ほどで、非常にまれながんです。

原因

脂肪、筋肉、血管、リンパ管、骨、神経などの細胞に多く発生しますが、その原因やメカニズムは解明されていません。

症状

初期症状がほとんどないため、早期発見がむずかしいがんです。

進行して腫瘍が大きくなると周囲の臓器を圧迫するため、腹痛、吐き気、便秘、排尿障害などの症状が現れます。さらに大きくなると、触診で腫瘤を確認できることもあります。

検査・診断

血液検査や腫瘍マーカー検査に加え、超音波検査、CT検査、MRI検査、PET検査などの画像検査で診断を行います。さらに生検を行い組織検査で診断するケースも少なくありません。

それでも診断が確定できないケースがあり、その場合は手術で腫瘍を取り出し病理検査で診断を確定します。

治療

腫瘍がどこに発症したか、悪性か良性か、転移の有無、浸潤(しみ込むように広がる)具合などを考慮して、治療法が選択されます。

一般に、手術療法で患部を切除し、その後、放射線療法や抗がん剤による化学療法で転移や再発に対処していきます。

セルフケア

療養中

病状によっては腫瘍だけでなく、周囲の臓器も切除が必要になるケースがあります。術後は放射線や抗がん剤に対する副作用の対策を行うとともに、切除が行われた臓器の機能回復と機能維持を図ることも大切です。

長期にわたる診察と検査、治療が必要になりますので、メンタルコントロールをしながら病気と向き合っていきましょう。

病後

病状によっては腫瘍だけでなく、周囲の臓器も切除が必要になるケースがあります。術後は放射線や抗がん剤に対する副作用の対策を行うとともに、切除が行われた臓器の機能回復と機能維持を図ることも大切です。

長期にわたる診察と検査、治療が必要になりますので、メンタルコントロールをしながら病気と向き合っていきましょう。

監修

寺下医学事務所医学博士

寺下謙三

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