胃肉腫
いにくしゅ

最終編集日:2024/12/22

概要

胃の粘膜に発生した悪性腫瘍を胃がんといい、粘膜以外から発生した悪性腫瘍を肉腫といいます。胃の悪性腫瘍のなかで胃肉腫が占める割合は5%ほどで、比較的少ないがんです。40歳以上の男性に多い傾向があります。

胃肉腫にはさまざまなタイプがありますが、多いのは悪性リンパ腫と平滑筋肉腫ですが、そのほかに管間葉系腫瘍(GIST)もあります。悪性リンパ腫は胃の中にあるリンパ管内から発生し、潰瘍やびらん症状を起こします。平滑筋肉腫は胃壁などにある平滑筋に悪性腫瘍が発生しますが、無症状であることが多いようです。

原因

遺伝子の突然変異が原因と考えられていますが、くわしいメカニズムはわかっていません。

症状

初期症状はほとんどありませんが、進行すると胃痛、胃の不快感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹部膨満感などの症状が現れます。

無症状のケースが多いため、多くは胃がん検診や人間ドックで発見されます。とくに平滑筋肉腫は無症状であることが多く、発見が遅れることも少なくありません。吐血や下血を起こし、医療機関で発見されることもあります。

検査・診断

一般には内視鏡検査で胃を直接観察して診断が行われます。確定診断には内視鏡で肉腫の一部を採取して病理検査を行います。

転移の有無などを診断するために超音波検査、CT検査、PET検査などの画像検査が行われることもあります。

治療

悪性リンパ腫の治療には、抗がん剤による化学療法が広く行われています。

平滑筋肉腫の治療では手術療法が中心で、腫瘍部分をすべて切除しますが胃は残す治療法が多く行われています。ただし胃の入り口(噴門部)や出口(幽門部)周辺に腫瘍がある場合は、噴門側胃切除術や幽門側胃切除術が行われます。

セルフケア

病後

再発を防ぐために、術後は数年にわたる定期的な診察と検査が必要になります。

監修

寺下医学事務所 医学博士

寺下謙三

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