消化管間葉系腫瘍(GIST)
しょうかかんかんようけいしゅよう

最終編集日:2025/12/19

概要

消化管間葉系腫瘍(消化管間質腫瘍)は食道から直腸までの消化管壁の粘膜の下に発生する腫瘍です。GIST(Gastrointestinal Stromal Tumor)とも呼ばれます。

もっとも発生頻度が高いのは胃で、次いで小腸、大腸です。発症は10万人に1〜2人程度と非常にまれながんで、60歳代から増加し、男女差はほとんどありません。初期症状がほとんどないため、進行してから発見されるケースも多く、すでに肝臓や腹膜などへ転移しているケースもあります。

原因

多くのGISTでは、KIT遺伝子やPDGFRA遺伝子の突然変異が原因と考えられていますが、なぜ変異するのかなどの詳細なメカニズムについてはわかっていません。

症状

腫瘍が小さい初期の間はほとんど症状がありません。腫瘍が大きくなってくると吐き気、腹痛、下血、吐血などの症状がみられます。

症状が出る段階では進行していることも多く、発見されたときにはほかの臓器に転移していたり、転移した臓器で先に見つかるケースも少なくありません。

検査・診断

内視鏡検査、CT検査、MRI検査などの画像検査で、発生部位、大きさ、浸潤の程度、転移の有無などを調べます。細胞を採取して組織検査を行い、確定診断につなげることもあります。

治療

GISTの治療は、手術療法が原則です。初期で腫瘍が小さく転移などがない場合は、切除することで治癒が期待できます。

転移がみられる場合、または再発のリスクが高い場合には、分子標的薬(イマチニブなど)を使った治療が行われます。

セルフケア

病後

腫瘍の切除だけでは治癒がむずかしい場合や再発の可能性が残る場合には、術後補助療法として3年間ほど分子標的薬による治療が行われます。そのため長期にわたる定期的な診察と検査が必要になります。

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監修

わだ内科・胃と腸クリニック

和田蔵人