WEB版

末梢神経障害(ニューロパチー)
まっしょうしんけいしょうがい

最終編集日:2026/3/27

概要

神経には中枢神経(脳および脊髄)と全身に広がる末梢神経があります。末梢神経は、運動神経、感覚神経、自律神経に分類されます。末梢神経障害はニューロパチーとも呼ばれ、これらの末梢神経の働きが悪いために起こる障害です。

症状は障害される神経によって異なり、手足のしびれや筋力の低下などによる歩行困難のほか、手足が冷たく感じる、便秘や下痢などの症状が現れます。いずれも原因を明らかにしたうえで、適切な治療を行うことが大切です。

原因

末梢神経障害の原因はいろいろありますが、もっとも多い要因に糖尿病があります。糖尿病が原因の末梢神経障害は「糖尿病性神経障害」とも呼ばれ、糖尿病の三大合併症のひとつです。血糖の高い状態が続くことで、おもに末梢の神経が障害されて、手足にしびれなどが起こります。

糖尿病のほかにも、ビタミンB12不足、アルコール、多量の薬剤や抗がん剤、自己免疫性疾患、感染症、遺伝性疾患、腎機能障害、甲状腺機能低下症、神経の圧迫などがあります。

症状

末梢神経障害の症状は非常にさまざまで、原因や障害された神経の種類にもよりますが、一般的には手足の先でより強く現れる傾向があります。

よく知られるものとして、運動神経の障害では、手や足に力が入らない、物をよく落とす、歩行がうまくできない、立ち上がりがうまくできないなどの症状があります。感覚神経の障害では、からだがビリビリとしびれる、手足が冷たく感じる、感覚がなくなる、痛みやふらつきが起きることがあります。自律神経の障害では、立ちくらみ、下半身に汗が出ない、便秘や下痢、排尿障害などがあります。

検査・診断

診断では、まず症状の現れ方や進み方をくわしく確認し、神経学的診察を行います。そのうえで、血液検査、神経伝導検査、針筋電図などを行い、必要に応じてMRI検査で脳や脊髄、神経根の病気がないかを調べます。

小さな神経線維の障害が疑われる場合には皮膚生検を実施したり、遺伝性が疑われる場合には遺伝子検査などを追加することがあります。

治療

治療は原因によって異なります。糖尿病性神経障害では血糖管理が重要であり、自己免疫性ニューロパチーでは、病気の種類に応じて免疫グロブリン療法、血漿交換、ステロイドなどが検討されます。

痛みが強い場合には、神経障害性疼痛に対する薬物治療を行います。また、筋力低下や歩行障害に対しては、リハビリテーションや装具療法が有効です。

セルフケア

療養中

手足の筋力低下や感覚低下がある場合は、医師や療法士の指導のもと、無理のない範囲でリハビリテーションを続けることが大切です。感覚が鈍い場合は、足の傷ややけどに気づきにくいため、毎日の足の観察や靴ずれ予防も重要です。


Xで送る
LINEで送る
Facebookで送る
URLをコピー

監修

三番町クリニック

村上友太