気象病
きしょうびょう

最終編集日:2024/5/28

概要

気圧、気温、湿度など気象の変化が心身に影響を及ぼし、さまざまな不調が起こるのが「気象病」です。「天気病」と呼ばれることもあります。気象病は新しい概念で、まだ医学的に確立されたものではありませんが、推計患者数は1000万人以上ともいわれています。

これまでにも「雨の前には持病の頭痛がする」「関節が痛くなるので雨の予報ができる」などという患者さんの経験的な認識が聞かれることがありましたが、それらを統括したものといえるでしょう。

原因

悪天候、気圧や気温、湿度の変化、季節の変わり目、梅雨、台風などが引き金になります。

なぜこれらの変化で不調が起こるのかは明らかになっていません。しかし、耳の中にあって気圧の変化を感じとる働きをしている「内耳」という器官が関与しているのではないかと考えられています。気象病の人は気圧の変化に対して内耳が過敏に反応し、自律神経のバランスが崩れやすくなって、さまざまな不調が現れるとされています。

症状

症状は、おもに不定愁訴と、持病の悪化に分けられます。


●不定愁訴

頭痛、肩こり、腰痛、関節痛、手足のしびれ、むくみ、めまい、だるさ、吐き気、イライラ、気分の落ち込みなど。

●持病の悪化

片頭痛、関節痛、腰痛、ぜんそく、関節リウマチ、骨折などの既往症の痛みの再燃など。

検査・診断

問診で症状、発症のきっかけ、生活習慣、既往症などをくわしく聞き取ります。持病の症状が強くなる場合には、悪化・増悪していないかの検査を行います。実際に器質的な病気があるかどうかの鑑別が重要になるため、血液検査や画像検査を行うこともあります。

治療

気象の変化という原因は取り去ることができないため、鎮痛薬や抗めまい薬などを症状に合わせて用いる対症療法が中心になります。例えば、気象の変化によってぜんそくや関節リウマチが悪化するような場合は、主治医に相談して発作や症状の増悪を抑制する対処法を決めておきましょう。

自律神経をはじめ、からだのバランスを調整するのに漢方薬も用いられています。五苓散(ごれいさん)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)などが用いられます。

セルフケア

予防

次のようなことに留意して毎日の生活を整えることで、自律神経のバランスがとりやすくなり、症状の緩和が見込めることがあります。


●朝食をきちんととり、一日三食の規則正しい食生活にする。

●栄養素に偏りのない、さまざまな食材をとるように心がける。

●起床後、軽い散歩、シャワー、日光浴などを習慣化して、心身をしっかり目覚めさせる。

●ストレッチやマッサージなどで筋肉をほぐし、血行をよくする。

●職場での仕事の場合、1時間に1回はトイレや飲水に行くなどして、からだを動かす。

●軽く汗をかく程度の運動やぬるめの入浴で、心身の緊張をほぐす。

●十分な休養、睡眠を心がける。

●就寝2時間前にはパソコンやスマートフォンの使用、ゲームなどをやめる。

●症状が重い場合には、気圧や気温、湿度の変化を天気予報で把握し、スケジュールを調整する。

●症状の日記をつけて自分の気象病を把握する。

●あまり神経質にならずに体調の変化を捉え、焦らずに病気と付き合う。


監修

昭和大学医学部脳神経外科 名誉教授

藤本司

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