群発頭痛
ぐんぱつずつう

最終編集日:2024/6/26

概要

群発頭痛は、原因疾患がない一次性の慢性頭痛のひとつで、国際頭痛分類改訂版(2013年)では、類縁疾患とともに「三叉(さんさ)神経・自律神経性頭痛」としてまとめられています。

頭痛は片側の前額部や側頭部にかけて激烈な痛みが発作的に生じ、一度起こると、ほぼ同じ時間に、数週間から数カ月続く(群発期)のが特徴です。20~40代の男性に好発し、男性の罹患率は女性の3~7倍とされており、喫煙者に多くみられます。発症率は1000人に1人程度とされており、まれな病気ですが、発症すると日常生活に大きな支障をもたらします。一般的な頭痛薬は効かず、発症した場合は発作を予防する治療が必須となります。

原因

自律神経の中枢である脳の視床下部の何らかの異常、あるいは目の奥にある海綿静脈洞という静脈が集まっている部分の中を通る内頸動脈周囲の自律神経の異常、などが原因として考えられています。しかし、いまだ解明されていません。発作を誘発するものとして、飲酒、特定の薬剤(ヒスタミン、ニトログリセリンなど)が挙げられています。

症状

片側の目のまわりや前額部、また側頭部などにかけて激しい痛みが起こります。就寝中に起こることも多く、痛みで目が覚めるといわれています。

頭痛に伴い、痛む側の額からの発汗、目の充血、流涙、まぶたのむくみ、鼻水、鼻閉、顔が赤くなるなどの自律神経症状が現れます。

また、悪心、音や光に過敏になるなどの片頭痛によく似た症状がみられることもあります。

個人差はありますが、痛みの発作は15分以上続き、長いケースでは3時間ほど治まらないものもあります。2日に1回程度から1日に8回くらい起こる場合もあり、数週間から数カ月続きます。同じ時間に起こりやすいのも特徴です。

検査・診断

問診で群発頭痛が疑われたら「国際頭痛分類」の以下の診断基準をもとに診断されます。


●重度からきわめて重度の片側の痛みが、目の周辺、前額部、側頭部のいずれか1カ所に15~180分続く。

●上記のような自律神経症状、または落ち着きのない、あるいは興奮した様子のうち、1つ以上がみられる。

●半分以上は、発作の頻度が2日に1回から1日に8回である。

●ほかの頭痛と診断されない。


ほかの一次性頭痛(片頭痛など)や、頭痛を一症状とするほかの病気(脳血管障害、脳腫瘍、感冒など)との鑑別が必要です。

治療

スマトリプタンという薬の皮下注射がもっとも有効とされています。医師の指導を受ければ、自己注射も可能です。スマトリプタンには点鼻薬もありますが、現在は保険適用外です。そのほか、ゾルミトリプタンの内服薬もありますが、これも保険適用外となっています。

高濃度酸素吸入も発作の改善に効果があるといわれています。マスクを用いて、純酸素を1分間に7~10L、15分間吸入する方法で、1日に1回以上発作が起きるケースでは在宅酸素療法も認められています。

通常の頭痛に用いられる頭痛薬や鎮痛薬、片頭痛に用いられる薬などは効果が見込めないため、漫然と服用しないことが肝要です。

セルフケア

予防

群発頭痛には、いくつかの発作予防薬があります。カルシウム拮抗薬のベラパミル(保険適用外)、副腎皮質ステロイド(保険適用外)などに予防効果が認められています。酒石酸エルゴタミンも予防に用いられることがありますが、効果の発現には個人差が大きいようで、ガイドライン上も「行うようすすめられるだけの根拠が明確でない」とされています。

セルフケアとして「頭痛ダイアリー」をつけて、発作がどのようなときに起こりやすいかを把握し、発作の誘因となる行動などを避ける、発作の予兆を知っておくようにしましょう。頭痛ダイアリーは、日本頭痛学会のサイトからダウンロードすることができます。

監修

昭和大学医学部脳神経外科 名誉教授

藤本司

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