胃憩室いけいしつ
最終編集日:2023/12/6
概要
憩室とは、消化管の壁の一部分が外側に飛び出して、袋状になったものを指します。大腸にできる大腸憩室の頻度は高いものの、胃にできる胃憩室はまれで発症頻度は0.1%程度とされています。70~80%が胃穹窿部(いきゅうりゅうぶ:立位のときいちばん上になる部分)に発症します。
大腸憩室では、憩室部位が炎症を起こしたり(大腸憩室炎)、憩室から出血したり(大腸憩室出血)するリスクが高いのですが、胃憩室では炎症や出血のリスクはそれほど高くありません。
原因
胃潰瘍や腫瘍などが関与するといわれていますが、原因は明らかになっていません。大部分は先天性のものといわれています。
症状
多くは無症状で、上部消化管X線(バリウム)検査や上部消化管内視鏡(胃カメラ)検査で偶然見つかることがほとんどです。まれに吐き気、胸やけ、胃の不快感などが現れることもあります。
胃憩室の部分に炎症が起こると、胃痛、吐き気・嘔吐、食欲不振、発熱などがみられます。また出血が起きると、下血や吐血、穿孔(穴が開く)が起こりますが、胃憩室症では炎症や出血はまれです。
検査・診断
上部消化管X線検査、上部消化管内視鏡検査で確定診断ができます。造影CT検査を行うこともあります。
治療
胃憩室は、基本的に治療は必要ありません。胸やけや胃の不快感などの症状がある場合には、対症療法として胃酸分泌抑制薬が用いられます。出血を起こしている場合は、内視鏡を用いたクリップ法などの止血術を行うこともあります。
監修
鳥居内科クリニック 院長
鳥居明
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