扁桃腺炎

へんとうせんえん

最終編集日:2023/9/26

概要

のどにある「扁桃腺(口蓋扁桃)」が細菌などに感染して、炎症を起こす病気です。扁桃腺はのどの奥、左右の舌の付け根の辺りにあるリンパ組織で、外気などと一緒に侵入する細菌などを排除する働きをもった免疫器官です。

扁桃腺炎は身近な病気で、小児では何度もくり返すケースも珍しくありませんが、扁桃腺炎と全身の疾患との関連が指摘されており、油断は禁物です。

原因

感染を起こす原因菌として、A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、インフルエンザ桿菌(かんきん)、肺炎球菌などがあります。ウイルスでは、インフルエンザウイルス、EBウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなどがあります。

症状

のどの違和感、痛み、飲み込みにくさ、耳周辺に広がる痛みとともに、高熱、関節痛、せき、たんなど、かぜに似た症状が現れます。扁桃腺は赤く腫れ上がり、膿栓(うみの塊)や白いこけのようなものの付着がみられることもあります。

左は正常な扁桃腺、右は扁桃腺炎。扁桃腺が腫れ、膿栓の付着がみられることも
左は正常な扁桃腺、右は扁桃腺炎。扁桃腺が腫れ、膿栓の付着がみられることも

検査・診断

のどの状態をみて、綿棒で扁桃腺を拭い、細菌検査をして原因菌・ウイルスを特定します。炎症の広がりをみるために、内視鏡(ファイバースコープ)でのどの奥を調べます。また、血液検査で溶連菌感染の有無、肝機能障害の有無なども調べます。

扁桃腺炎であれば重症化の心配はあまりありませんが、のどの痛みだけでなく開口障害(口が開けられない)やしゃべりにくさ、息苦しさを伴うようなら、扁桃周囲膿瘍や扁桃周囲炎、急性喉頭蓋炎を疑い、耳鼻咽喉科への受診がすすめられます。

口腔咽頭カンジダ症、性感染症の一症状としての扁桃線炎、無顆粒球症などとの鑑別を行います。

治療

ペニシリン系、あるいはマクロライド系の抗菌薬投与が第一選択となります。効果がみられない場合には、ほかの抗菌薬に変更して投与が行われます。対症療法として、解熱鎮痛薬、抗炎症薬などが用いられます。急性扁桃線炎の場合、多くはこれらの薬物療法で治癒が望めますが、次のような場合には、扁桃摘出術が考慮されます。


●1年に4~5回、扁桃炎をくり返す慢性(習慣性)扁桃炎がみられる。

●扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を起こしている。

●扁桃病巣疾患を起こしている。


扁桃病巣疾患は、扁桃腺が原病巣となって、離れた臓器に疾患をひきおこすものです。溶連菌が原因である感染に多くみられます。代表的な疾患に、IgA腎症、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、心内膜炎、胸肋鎖骨過形成症があります。そのほか、尋常性乾癬などの皮膚疾患、慢性関節リウマチ、ベーチェット病などの自己免疫疾患が挙げられます。互いの疾患が関連し合って併発しやすいのも特徴です。扁桃摘出術はこれらの扁桃病巣疾患の予防に有効と考えられています。

なお、EBウイルスが原因の伝染性単核球症による扁桃線炎の場合は、伝染性単核球症の治療が行われます。

セルフケア

療養中

扁桃腺炎は飛沫感染する可能性があるため、発症がわかったら、マスクの着用、手洗いの励行、うがいなどで感染拡大を予防する必要があります。かぜのようでも、のどの痛みが激しい、のどの奥が赤く腫れ上がっている、高熱、鼻の症状がないなどの場合は、扁桃腺炎を疑って、受診しておきましょう。

病後

慢性化・習慣化を防ぐために、かぜやインフルエンザにならない、日頃からのうがい・手洗い、過労やストレスに注意して免疫力低下を防ぐことなどを心がけましょう。

監修

耳鼻咽喉科日本橋大河原クリニック 院長

大河原大次

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