高血圧網膜症

こうけつあつもうまくしょう

最終編集日:2022/4/14

概要

血圧が高くなると、網膜の毛細血管に損傷を与えることがあります。その結果、網膜の出血、むくみ(浮腫)などの障害が出てしまうのが高血圧網膜症です。網膜がダメージを受けて物が見づらくなり、視野の異常などが現れます。


原因

高血圧による動脈硬化が原因です。高血圧をそのままにしておくと、血管内部の圧力上昇を抑えるため、血管は外側から常に締めつけられた状態になります。その影響が網膜の血管におよぶと、網膜への血流が悪くなり、出血、むくみが起こり、豊富な酸素やエネルギーが必要な網膜に機能障害が発生します。

高血圧網膜症
高血圧網膜症

症状

初期の段階では黄斑にむくみがある場合を除き、ほとんど自覚症状を伴いません。病状が進行すると、視力の低下が起こり、網膜の出血や白斑(にごり)などが現れます。

治療をせず放置していると、網膜内のもろい血管が破れ、出血が硝子体にまでおよんだり、網膜剥離をひき起こしたりします。ここまでに至ると重度の視力障害が残ることもあります。


検査・診断

眼底の検査を行います。検眼鏡で高血圧の人の網膜を見ると、特有の損傷が見受けられます。高血圧で起こる眼底の異常所見には、動脈が細く狭くなる、網膜の出血や白斑、網膜・視神経乳頭のむくみなどがあります。


治療

高血圧網膜症の治療では、まず血圧を下げることが大きな課題になります。網膜の血管に動脈硬化が起こっていなければ、血圧の適正なコントロールを行うことで血管の状態は元に戻ります。降圧薬としてアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬やカルシウム拮抗薬の使用が有効です。動脈硬化が起こっている場合は交感神経抑制薬(心臓の収縮機能を抑える薬)をあわせて使用します。

網膜にもろくて破れやすい新生血管が生じている場合には、新生血管発生の抑制と出血が硝子体におよぶのを防ぐため、レーザーを照射して網膜の病変部を熱凝固して、病気の進行を抑えるレーザー光凝固術を行うことがあります。


セルフケア

予防

高血圧症を治療中の場合には目の状態にも気を配り、定期的に眼科で検診を受けることが大切です。血圧を上げない食生活や適度な運動など、血圧を下げる努力を怠らないようにしましょう。

監修

井上眼科病院 院長

井上賢治

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