智歯周囲炎
ちししゅういえん

最終編集日:2022/4/4

概要

智歯とはいわゆる「親知らず」と呼ばれる歯のことです。この親知らずの周囲に炎症のある状態が、智歯周囲炎です。智歯(親知らず)はすべての人にあるわけではありません。1本から4本までいずれかの本数の人もいれば、まれに1本もない人もいます。また、ほかの歯と同様、きれいに並んで生えている人もいれば、智歯が横を向いていたり、歯肉や骨のなかに完全に埋まっている人もいます。

原因

智歯は、口のなかのいちばん奥に生えているので、歯周ポケットがほかの歯より深く、汚れがたまりやすい、う蝕(むし歯)になりやすい歯です。そのため、智歯周りの歯肉が細菌感染することによって炎症が生じ、痛みを感じます。疲れやストレス、生活習慣の悪化なども智歯周囲炎の原因といわれています。

症状

歯肉の腫れと痛みが起こります。奥歯には強い鈍痛がつづき、場合によっては頰まで腫れることもあります。さらに炎症がひどくなると、口を開けにくくなり、飲み込む際にも痛みが出たりします。あごの下から首の辺りのリンパ節が腫れることもあります。人によっては全身に倦怠感が現れ、37〜38℃の発熱や頭痛が起こることもあります。

検査・診断

パノラマX線写真の撮影によって診断します。

治療

激しい症状がある場合は、抜歯を行うことはできません。まずは親知らずの周りを消毒し、抗生物質(抗菌薬)などを服用して炎症を鎮めます。炎症が進み、うみがたまっている場合はその箇所を切ってうみを出します。炎症が鎮まったところで抜歯を行います。智歯を覆っている歯肉の部分の切除や、骨を削る手術を行うこともあります。炎症が起こる可能性のある智歯については、炎症がないとき、もしくは軽度の段階で抜歯をします。

セルフケア

予防

智歯周囲炎は、口のなかが不衛生だったり、ストレスや睡眠不足による免疫機能の低下が原因となる場合もあります。ふだんから食事や生活習慣に気をつけ、歯磨きを丁寧に行いましょう。

監修

新高円寺はっとり歯科医院 院長

服部重信

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