Question

親知らずは移植に使えるの?

親知らずは移植するために、抜かずに残すことがあるようですが、本当でしょうか? 抜歯をすすめられるのはどのようなときですか?

女性/20代

2024/05/16

Answer

「親知らず」といわれる第3大臼歯(智歯)は、良好な状態であれば、歯の移植に利用できる可能性があります。ただし、まっすぐ生えていない智歯を抜歯する際は、歯の状態によっては歯を割ることもあり、移植できないことも多いと思われます。

抜歯や保存の適応、移植の可能性については、歯の状態によるため、治療を受ける前に歯科医とよく相談する必要があります。


智歯は、ほかの歯が生えそろった後に出てくるため、歯の生える余地が十分でなく、曲がって生えたり、一部が埋もれたりすること(半埋伏歯)が多くあります。不規則に生えた智歯の周囲は、歯肉(歯ぐき)が一部分突き出た歯肉弁などができやすく、その内側には食べ物の残りかすがたまり、細菌が増殖しやすくなるため、からだの抵抗力が弱ったときなどに、周囲の歯肉に炎症(智歯周囲炎)が生じることがあります。下あごで炎症が起こると、痛みで口が開けられなくなったり、上あごで起こると、耳の周囲までうずくようになることがあり、発熱を伴うなど全身に症状が広がることもあります。


とくに半埋伏歯は歯垢(プラーク)などの汚れがたまりやすいため、智歯周囲炎が起こりやすいです。炎症を繰り返すうちに、炎症が周囲に広がったり、まれに進行して敗血症など重篤な状態になる場合もあるため、炎症がみられたら適切な時期に処置を受けることが必要です。

また、智歯が隣接する健康な歯や歯周組織に影響を及ぼす可能性がある場合は、抜歯が必要です。


智歯が半埋伏歯であっても、症状のない場合やほかの障害を発症しない場合は、抜歯の必要はありません。問題がなければそのままにすることもあります。一般的に、智歯を残してもよいのは、智歯が上下きちんと生えていてかみ合っている場合、あごの骨の中に完全に埋まっていて(完全埋伏歯)問題がない場合などです。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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