抜歯を勧められたが抜きたくない

最近は、歯科治療の進歩や口腔内の健康に対する意識の高まりによって、正しいブラッシング方法や適切な治療を行うことで、できるだけ抜歯をしないで治療を行うケースが増えています。そのため、抜歯を提案されても、「できれば抜きたくない」、「自分の歯をできるだけ残したい」と多くの人は考えますが、中には歯を抜かないで治療することが難しい場合や歯を残すことによる弊害が大きい場合などでは、抜歯による治療が避けられないことも実際にはよくあります。一般的に抜歯が必要な状態として、次のような例があげられます。

・どのような処置を行っても保存ができない重度のむし歯

・歯の根（歯根）の先端部分など、治療が難しい場所に病巣があり、保存が難しい場合

・重度の歯周炎により、歯を支える歯槽骨の吸収のため、ぐらつきが激しい歯

・割れるなど破損して、保存的な治療が困難な歯

・歯根の治療後に痛みや腫れなどがどうしてもひかないなど、経過が悪い場合

・隣の健康な歯や歯茎などの歯周組織に悪い影響を及ぼす歯

・親知らず、歯列から飛び出している歯など、機能していない歯

・矯正治療のために必要な場合

なお、上記以外のケースでも、個々の状態によって抜歯が必要と判断されることがあります。なぜ抜歯が必要なのか、他の治療法はないのか、抜歯を行うことのメリットとデメリットについて、歯科医師にきちんと確認を行い、その上でご自身の希望を伝えてみることをお勧めします