女性不妊

じょせいふにん

最終編集日:2022/3/30

概要

不妊には男女それぞれが原因をもつ場合があり、そのうち女性側に原因がある不妊の状態を女性不妊といいます。不妊とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をせずに性行為をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないことを指します。日本産科婦人科学会では、1年を一般的な期間の目安と定義しています。

不妊の原因は、男女のどちらかにある場合もあれば両方にある場合もあります。検査してもはっきりした原因が不明のこともあります。

近年の晩婚化や晩産化の影響により、不妊治療を行うカップルは増加傾向にあります。


原因

女性不妊の原因に排卵障害があります。正常な排卵を起こすために必要なホルモンに異常が起きることで生じます。

これらのホルモン異常は、甲状腺疾患や極端な体重減少や肥満、多嚢胞性卵巣症候群など、女性ホルモンの分泌に影響を及ぼす疾患との関連が指摘されています。

ほかにも卵巣と子宮をつなぐ卵管が詰まる、くっついてしまうことで起きる卵管障害や、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮の形態異常などによる着床障害などが原因の場合もあります。

子宮頸管の異常、免疫機能の異常なども女性不妊の原因となります。


症状

不妊は、健康な男女が妊娠を希望しているにもかかわらず妊娠に至らない状態を指すため、通常は妊娠を希望しなければ問題にはなりません。しかし、女性不妊の場合には、原因によっては不妊以外にも、強い月経痛や不正出血、月経不順などの症状を伴うことがあります。また、原因が甲状腺疾患や子宮内膜症、子宮筋腫などの疾患であるケースでは、それぞれの疾患の症状が現れ、治療が必要になることがあります。

検査・診断

血液検査を行い、妊娠に関連する女性ホルモンの分泌量や女性ホルモンに影響を与える甲状腺ホルモン値などを調べます。

また卵巣や子宮などの異常の有無を調べるために超音波検査を行い、子宮内膜症や子宮筋腫などが疑われる場合にはMRI検査を実施します。

卵管や卵巣などの状態を確認するために、腟から子宮内に造影剤を注入する子宮卵管造影検査を行う場合もあります。


治療

排卵障害がある場合には、ホルモンバランスを整える薬や排卵を誘発する薬などによる治療を行います。卵管閉塞や狭窄がある場合には、内視鏡を用いてバルーン(風船)で卵管を広げる卵管鏡下卵管形成術(FT)を行うことがあります。

妊娠のために、排卵日を把握して性交渉のタイミングを見きわめるタイミング法、運動性の高い精子を集めてカテーテルで子宮に注入する人工授精(AIH)が選択されることもあります。

こうした治療を行っても妊娠に結びつかなかった場合には生殖補助医療(ART)として、卵巣から採取した卵子に培養液のなかで精子をふりかけ、受精後に子宮に戻す体外受精・胚移植(IVF-ET)を行います。顕微鏡下でガラス針を用いて卵子に精子を注入する顕微授精(ICSI)を行うこともあります。


セルフケア

療養中

女性不妊の原因はさまざまですが、極端なダイエットによるやせすぎや過食による太りすぎ、また運動不足やストレスによる自律神経の乱れなどはリスク要因になります。食事内容や飲酒量、運動習慣などを見直して、腹部や下半身を冷やさない生活を心がけましょう。

予防

妊娠のしやすさは加齢とともに減少します。不妊治療を行って出産に結びつく割合も、30歳代前半までと40歳代では大きく異なります。将来、妊娠を望む女性は年齢的なことも考慮に入れ、パートナーと出産について話しあう機会をもつといいでしょう。

監修

Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科

秋野なな

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