不妊治療中で落ち込むことが多く、気持ちが落ち着かない

不妊治療は、気持ちの面での負担も大きいので、ご相談者と同じように悩んだり、葛藤を抱えたりする人はたくさんいます。むしろ、そのような悩みを持たない人のほうが少ないのでは。そのため、決して自分だけがコントロールできていないと思わないでくださいね。

不妊治療に限らず、人は生きていくうえで、さまざまな悩みを抱えるものですよね。そのようなときに、自分の気持ちをどう保っていくのかは、私たちみんなの課題といえるでしょう。ご相談者は、少し気持ちの切り替えが苦手なのかもしれませんね。そのような人は少なくありません。すぐに切り替えられることが、必ずしもよいとも限らないと思います。

気持ちの保ち方というのは、人によって方法が異なるものです。たとえば、落ち込むときには、とことんまで落ち込んで自分のエネルギーをセーブして過ごすことで、自然とまた浮き上がってくるのを待つ、という人もいるでしょう。

ただ、そういった場合でも、自己嫌悪してしまうとつらくなるので、少し自身を客観視してみるとよいかもしれません。自分を遠くから俯瞰するようなイメージで「私は今、落ち込んでいるな。今はエネルギーを蓄えよう」と、自分の姿を冷静に捉えてみる方法です。

そうすることで、少し視野が広がり、落ち込んだ状態でも必要以上に自己嫌悪に陥らずに、その状態を受け入れられるようになる場合もあります。

また、つらい気持ちを1人で抱えずに、外に出すのも大切です。ご主人や婦人科の主治医などにも相談してみてはいかがでしょうか。自分以外の人の考えというのは、自分とは視点が異なっていて、はっとさせられることもあります。ご相談者にとってプラスになる考え方などを取り入れていけるとよいと思います。