黄体機能不全おうたいきのうふぜん
最終編集日:2023/1/16
概要
女性のからだの成熟や、妊娠・出産には卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンが大きくかかわっています。黄体は、排卵後の卵胞が変化したもので、おもにプロゲステロンを分泌しています。プロゲステロンは排卵後から次の月経が始まるまでの間に分泌が増え、受精卵を着床しやすくする、妊娠を維持するなどの働きをもっています。
黄体機能不全では何らかの原因によってプロゲステロンの分泌が低下、あるいは分泌期間が短縮されてしまい、妊娠できない・妊娠を維持できない状態になります。そのため、不妊症を招く「子宮着床障害」のひとつとされています。
原因
黄体機能不全を起こす病気として、高プロラクチン血症、視床下部性無月経、卵巣機能不全、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、甲状腺機能障害、脳下垂体の異常、摂食障害、肥満などが挙げられます。
また、不妊治療における卵巣刺激などが原因となる場合もあります。
症状
黄体機能不全の症状としては不正出血や、月経周期の短縮が現れますが、自覚症状がないケースも多くみられます。原因となる病気の症状が現れて検査ののち、黄体機能不全が見つかることもあります。
検査・診断
基礎体温で高温期が10日未満であれば、黄体機能不全が疑われます(通常は約14日)。さらに黄体期中期(高温期の7日目くらい)に血液検査を行い、プロゲステロン量を測定して診断をつけます。
治療
原因となる病気の治療を行います。そのほか、黄体ホルモン補充療法や、排卵障害が原因としてあって妊娠を望む場合には、排卵誘発療法などを行います。
監修
小山嵩夫クリニック 院長
小山嵩夫
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