月経前症候群(PMS)

げっけいまえしょうこうぐん・ぴーえむえす

最終編集日:2023/1/17

概要

月経前症候群(PMS)は「月経前3~10日間に発症する、多種多様な精神的・身体的症状で、月経がくると減弱、あるいは消失するもの」と定義されています。この状態が3カ月以上くり返されるときに、PMSを疑います。PMSのなかで精神的な症状が強いものを月経前不快気分障害(PMDD)と呼びます。約70~80%の女性は、月経前に何らかの症状を感じているといわれ、生活に支障をきたすようなPMSの頻度は約5%、PMDDの頻度は約1%です。

原因

PMSが現れるのは黄体期と呼ばれる期間であることから、黄体ホルモン(プロゲステロン)との関連が指摘されていますが、はっきりとした病態はわかっていません。精神的なストレスや心的外傷は病状に影響を与えるものとされています。

症状

排卵の後、月経が始まるまでの期間に以下のようなさまざまな症状が現れます。症状は月経が始まってから数日以内に改善されます。

●身体的症状:倦怠感、疲れやすい、過食あるいは食欲不振、過眠あるいは不眠、乳房の圧痛や腫れ、肌荒れ、肩こり、便秘、むくみ、関節痛、筋肉痛、体重の増加など

●精神的症状:気分の変動が激しい、イライラ、怒りやすさ、気分の落ち込み、絶望感、不安、緊張、集中できない、興味の喪失など

検査・診断

診断には問診が重要になります。基礎体温表を用いて、症状が現れる時期を確認します。当てはまる症状をスコアで表すPMSの診断票を用いる場合もあります。そのほか、内診や血液検査が行われます。総合的にみて、PMSなのかPMDDなのかを明らかにし、重症度も診断します。

例えば月経困難症、うつ病、不安障害、片頭痛、気管支ぜんそく、てんかん、アレルギー疾患、甲状腺機能障害など、月経前に症状が増悪する病気が多くあります。PMSと思っていたら、これらの病気であった、あるいはこれらの病気の増悪であった、というケースも少なくありません。そのため、鑑別診断は慎重に行われます。

治療

治療は非薬物療法(生活改善)と薬物療法が行われます。非薬物療法の生活改善として、規則正しい生活、運動、食生活の改善、スケジュール管理などが挙げられます(「セルフケア」参照)。薬物療法は対症療法という位置づけになります。関節痛や頭痛が強いなら鎮痛薬を、気分の落ち込みや不安などの精神的な症状が強い場合には抗うつ薬や抗不安薬を用います。むくみや便秘、肩こりなどの改善に血液循環や代謝を改善する目的で、漢方薬(当帰芍薬散〈とうきしゃくやくさん〉、桃核承気湯〈とうかくじょうきとう〉、五苓散〈ごれいさん〉など)を処方する場合もあります。

これらを試みても症状が改善されない場合や症状が強い場合には、低用量ピルを用います。

PMSの治療は症状をゼロにすることではなく、症状に振り回されない、症状と上手につき合うことを目標にし、薬だけに頼ることなく、セルフケアを継続して行うことが大切です。

セルフケア

療養中

PMSの症状には、ストレスや過労が大きく影響することがわかっています。日頃から1日の終わりや休日にはきちんと休息をとってリラックスし、オンとオフの切り替えを心がけましょう。

基礎体温表を記入して、症状が現れる時期を把握することも大切です。つらい時期は過密スケジュールにならないよう、あらかじめスケジュール管理することもプラスになります。

運動は、ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、あまり強度の強くないものを継続して行います。症状のある時期には無理のない範囲にしておきましょう。食事では、ビタミンやミネラルを多く含む食材を積極的にとり、甘いもの、アルコール、カフェイン、脂質の多いものなどは避けるほうがよいでしょう。

監修

小山嵩夫クリニック 院長

小山嵩夫

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