乳腺炎

にゅうせんえん

最終編集日:2022/1/11

概要

乳腺炎は乳腺に炎症が生じて痛みや腫れを起こす病気で、急性と慢性に分けられます。急性乳腺炎は授乳期や産褥期に多くみられ、母乳が乳腺内にたまり発症する急性うっ滞性乳腺炎と、乳管からの細菌感染で発症する急性化膿性乳腺炎があります。

慢性の乳腺炎には乳輪下膿瘍(にゅうりんかのうよう)や、治療がむずかしい肉芽腫性乳腺炎などがあります。

原因

乳腺炎の原因は急性、慢性で異なります。

急性うっ滞性乳腺炎は、乳汁がたまったり詰まったりすることで乳腺に炎症が起こります。乳汁が通る乳管が十分に開いていない、乳児が乳汁を飲む量が少ない、飲む力が弱い、授乳の間隔が一定でない、などが原因です。出産後2〜3日頃によくみられます。

急性化膿性乳腺炎のおもな原因は、乳頭や乳管にできた傷からの細菌感染です。急性うっ滞性乳腺炎が誘因になることもあります。出産後2〜6週頃によくみられます。

慢性の乳輪下膿瘍は陥没乳頭が原因と考えられています。授乳やホルモン分泌に関係がなく、若い年代の女性に多い傾向があります。

乳腺炎
乳腺炎

症状

急性うっ滞性乳腺炎の症状には乳房の腫れ、赤み、痛み、熱感、しこりなどがあります。授乳中にも痛みを感じ、乳汁がたまると痛みが強くなります。

急性化膿性乳腺炎も乳房の腫れ、赤み、痛み、熱感、しこりなどの症状が出ます。加えて発熱悪寒、脇の下のリンパ節が腫れるなどの症状が現れることもあります。

乳輪下膿瘍は乳輪の下に痛みを伴うしこりができます。しこりが破れてうみを出す症状を複数回くり返します。

検査・診断

問診、触診、視診で腫れやしこりの有無、赤みの具合などを確認し、血液検査、マンモグラフィ検査、超音波検査などを行います。

うみが出ている場合には採取して細胞診や細菌検査を行い、ほかの病気との鑑別を行うこともあります。

治療

乳腺炎の場合、まず炎症の原因となっている乳腺に詰まった乳汁をとる治療を行います。その後の治療は炎症具合によって異なります。

急性うっ滞性乳腺炎では、乳汁がうっ滞しなくなるように乳房を温め、血液の流れを促します。乳頭と乳輪のマッサージを行い授乳をつづけると、多くのケースで症状が改善します。

急性化膿性乳腺炎では授乳を中止し、抗菌薬(抗生物質)や鎮痛・消炎剤を使った治療を行います。炎症が進行している場合は、皮膚を切開してうみを取り出す手術が必要になることもあります。

乳輪下膿瘍でうみが出ている場合は、皮膚を切開してうみを取り出す手術を行います。再発するケースが多いため、根本的な治療としてうみの袋を完全に切除し、陥没した乳頭を外に出す形成手術を行うこともあります。

セルフケア

予防

急性うっ滞性乳腺炎では授乳回数を増やし、乳汁がたまらないようにすることが大切です。赤ちゃんがいろいろな角度から吸えるように授乳姿勢を変える工夫をしましょう。

こうした対処は急性化膿性乳腺炎の予防にもつながります。乳頭などに傷ができたときはすぐにクリームなどで保護し、なかなか治らないときは主治医に相談しましょう。

乳輪下膿瘍は治ったと思ってもくり返すことが多い病気です。早めに医師の診断を受けてください。

監修

Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科

秋野なな

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