卒乳はうまくやらないと乳腺炎になる？

母乳をやめて断乳することを考えているが、乳腺炎などの不安もあるということですね。

断乳は赤ちゃんと相談者様の体調のいいときに、次のようなプロセスで進めるのが効果的な方法です。

1.　授乳の回数は変えずに、1回の授乳時間を短く切り上げましょう。

2.　1の方法で数日様子をみながら、回数を減らしていきます。

3.　1日に1～2回の授乳回数に減ったら、3日間授乳をしないで様子をみてみます。

断乳に取り組むと、母乳の分泌は減りますが、適切なケアをしておかないと乳腺炎などのトラブルを引き起こす心配があります。

断乳を始めてすぐは、入浴によって血行がよくなると母乳の分泌が促されるので、開始した当日から3日ほどは湯船につからずに、シャワーのみのほうがよいでしょう。

通常、断乳を開始したらおっぱいのマッサージは必要ありませんが、熱がこもっていたらタオルで冷やし、痛みがあるときは軽く搾る程度の搾乳をし、搾乳の間隔は可能な限りあけるようにしましょう。

乳房の張りは3日目辺りにピークを迎え、1カ月ほどで母乳を分泌する能力は低下していきます。

これまで説明した内容は一般的な断乳方法ですが、乳腺炎を繰り返した人の場合には、助産師のサポートの元での断乳がすすめられています。

出産をした産婦人科もしくは保健所などで助産師や保健師と相談できる機会があれば、相談するとよいでしょう。

また、乳汁分泌抑制する処方薬もありますが、通常は、薬で得られる効果と副作用の両面から、使用の有無を考えて処方されます。 薬の効果がいつ出てくるか、副作用はいつ出てくるのか、それぞれに個人差があるので明確な回答はできませんが、症状や状況に応じて主治医と相談していけるとよいかと思います。

1歳を過ぎてくると母乳の目的は栄養をとることよりも、母乳哺育を介して行われるお母さんの赤ちゃんへの語りかけや、お母さんは赤ちゃんから送られる情報を通して行動するという「母子間の相互作用」の意義が強調されています。断乳をしても、他の形でそのような時間がとれるといいですね。赤ちゃんの健やかな成長を心よりお祈りしています。