Question

月経前の不調

月経前になると不調を感じます。PMS(月経前症候群)でしょうか?

女性/20代

2022/01/28

Answer

日本産婦人科学会では、PMS(月経前症候群)を、「月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの」と定義しています。

PMSの症状には個人差があり、心の症状には、抑うつ気分、怒りの爆発、イライラ、不安感、眠気、集中力の低下、混乱した気分などがあります。体の症状では、乳房の痛みや張り、おなかの痛みや張り、頭痛、腰痛、関節痛や筋肉痛、体重増加、手足のむくみなどがあらわれます。日本では月経のある女性の約70~80%が、月経前に何らかの症状があるといわれています。

原因ははっきりとわかってはいませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。女性の月経周期には、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類の女性ホルモンの働きが影響しています。月経前の黄体期に、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが、PMSの原因と考えられています。

しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質は、ストレスや生活リズムと関係するため、次のような生活習慣が症状のあらわれ方に影響を与えると考えられます。

●ストレス

環境の大きな変化や、緊張状態が長く続いたあとなど。

●性格

几帳面、真面目、負けず嫌いな人など。

●食生活

不摂生が続いたり、カフェイン含有飲料やお酒をよく飲む人など。

●体力の低下

運動不足や自律神経の乱れなど


PMSの治療は、非薬物治療として、生活指導やカウンセリングを行います。症状が重く、改善しない場合は、薬物治療を検討します。薬物治療は、大きく3つに分けられます。

●排卵抑制療法

低用量経口避妊薬(OC、低用量ピル)や低用量エストロゲン・プロゲステロン配合薬(LEP)など

●症状に対するもの

痛みに対しては鎮痛剤、むくみに対しては利尿剤、精神神経症状に対しては先進安定剤など

●漢方薬

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)など、個人の症状や体質に合わせて漢方薬を使用


月経前になると心や体の不調が起こる場合は、症状が軽くてもためらわずに婦人科や産婦人科を受診しましょう。治療によって症状の改善が期待できます。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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