たんに血が混じる
最終編集日:2024/1/19
概要
たんは、気管や気管支、肺などから排出されるものですが、そのたんに血が混じっているということはこれらの部位に何らかの異常が起きて、出血していることを表しています。血が混じったたんを「血痰」といいます。
血痰でもっとも多い原因は鼻粘膜(副鼻腔粘膜を含めて)からの出血です。
鼻粘膜からの出血は鼻血として鼻から出ない場合も多いのが実際です。鼻から息を吸っていますので、鼻出血が咽頭(喉)に流れ込むことがよくあります。
この場合、鼻から出血したのか、気管支/肺から出血したのかは、調べてみないとわかりません。
血痰の特徴には、せきと一緒に出る、吐き気はない、色は鮮やかな赤色などがあります。血の量が多い場合にはすぐに医師の診察が必要です。
血痰の原因には、肺炎や気管支炎が多く、長期間つづくときは気管支拡張症が考えられます。喫煙者が血痰を起こした場合は、咽頭がん、肺がん、肺結核などの重篤な病気が原因の場合もあるので、きちんと検査をする必要があります。
肺結核の感染者は減ってきていますが、いまだに日本で最大の感染症です。近年は、非結核性抗酸菌症という結核と似て非なる病気が急増しています。感染性の病気が疑われた場合には専門の医療機関での検査、治療が必要です。
受診の目安
救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診
・たんがつまって窒息状態である
・たんに混じって大量の血(1cc以上)が出た(喀血といいます)
医療機関を受診
・血痰が何度もくり返している
・たんとせきが慢性的につづいている
・たんがつまって息苦しいことがある
・たまにたんに血が混じることがある
セルフケア
あわてず、本当にたんに血が混ざっているのかを確認します。例えば歯肉炎で歯肉から血が出たり、鼻からの出血が口から出たりすることもあります。また胃や食道など上部消化管からの出血の可能性もあります。
考えられる病気
監修
千葉大学病院 呼吸器内科 特任教授
巽浩一郎
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