背中の痛み

最終編集日:2024/1/19

概要

背中の痛みは、スポーツや引っ越し作業などの一時的な過剰な負担によって起こる筋肉痛や、姿勢やストレスなどが誘因の筋肉のこり、寝違え(いわゆる、ぎっくり背中)などが大部分を占めます。しかし、なかには背骨、膵臓や腎臓などの内臓、大動脈の血管などに原因がある場合もあります。

筋肉が原因でない痛みは、痛みが現れる場所によって、次のような病気を疑います。


●左上部、肩から肩甲骨の辺り:狭心症、心筋梗塞、頸椎椎間板ヘルニア

●みぞおちの背中側:胃潰瘍、十二指腸潰瘍

●背部、腰部の背骨の周辺:椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、圧迫骨折、多発性骨髄腫

●背中の中央部:急性大動脈解離、大動脈瘤破裂、心筋梗塞、胆石症、食道がん、胃がん

●腰の周辺:腰椎椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がん、急性腎盂腎炎、膀胱炎、尿路結石、腎臓がん、子宮筋腫、子宮がん、卵巣腫瘍

●背中の片側:帯状疱疹

受診の目安

救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診

・突然、背中に激痛が起こり、立っていられない

・肩、うで、背中に広がる痛み(放散痛)がある

・冷や汗が出る、意識を失う

・呼吸困難、動悸、胸痛を伴う

・手または足のしびれを伴う

医療機関を受診

・みぞおちの背中側が空腹時に痛む

・飲酒後に突然痛む

・背中から腰にかけての痛みに、発熱や血尿を伴う

・背中から腰にかけての痛みで、背中をたたくと響く(血尿を伴うことも)

・からだの片側にピリピリした痛みがある

様子をみる

・筋肉に一時的に負担をかけたなど、痛みの原因に思いあたるきっかけがある

セルフケア

背中の痛みは、大部分が整形外科的な筋肉由来の痛みですが、次のようなことを心がけることで、ある程度、改善・予防が可能です。


●不自然・不安定な姿勢で家事や作業をしない

●長時間、同じ姿勢をつづけない

●パソコンやスマートフォンを長時間見つづけない。途中で休憩を挟み、首、肩、背中をストレッチする

●入浴は浴槽につかって血行をよくしてこりをほぐす

●毎日の適度な運動で血行を促す

●背中や肩を鍛える運動をとり入れる

考えられる病気

監修

東馬込しば整形外科 院長

柴伸昌

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