妊娠中の背中の痛み

夜間に突然、背中に痛みがあり、妊娠中ということもあって、さぞご不安なことと思います。

背中の痛みは、スポーツによる負荷や姿勢など整形外科的な原因のほかに、腎臓や膵臓などの内臓が原因の内科的なもの、神経系による痛みなどがあります。

一般的に、骨、筋肉や筋膜、靭帯などの整形外科的な痛みの場合は、痛む部分を指で押すと痛む、からだを動かしたときに痛みが強くなる、といった特徴があります。

一方、寝ているとき、からだを動かさないでいるなど、安静にしているときに感じる痛みや、深呼吸や咳により増す痛み、食事と関連する痛みは、循環器、呼吸器、消化器などが原因の場合が多く、症状を繰り返す場合や症状が続く場合には、内科への受診が必要です。再度鋭く痛みを感じたり、我慢できないほどの痛みが続いたりする場合には、早急に内科を受診してください。

また、妊娠中は背中の痛みが起こりやすいことがあります。おなかが大きくなるにつれて、体型、姿勢、動作などが変化して、背中や腰にかかる負担が大きくなるからです。

妊娠により分泌量が増えるホルモンの働きで、骨盤周辺の関節や靭帯がゆるむことも要因となるようです。それらの痛みは深刻な症状になることは少ないため、産婦人科主治医へのご相談をお勧めいたします。診察の結果、心配のない痛みだと診断されたら、主治医の指導のもとにストレッチをしたり、日常生活で腰や背中に負担をかけない姿勢を心がけたりするとよいでしょう。