外陰部の異常（かゆみ、大きさ、におい）

概要

外陰部はデリケートゾーンとも呼ばれ、さまざまな要因によって、かゆみやにおいなどの症状が現れることがあります。外陰部に異常が生じる原因には、次のようなものがあります。

●外陰炎

細菌感染による腟の炎症で、かゆみを生じます。腟内の自浄作用が弱い子ども、妊婦、高齢者に多くみられます。

●腟炎

カンジダ菌やトリコモナス原虫などに感染すると腟に炎症が起こり、外陰部にかゆみを生じます。カンジダ腟炎ではカッテージチーズのようなおりもの、トリコモナス腟炎では泡立ったおりものが出ることが特徴です。

●接触性皮膚炎

月経時に使用するナプキンや下着による締めつけなどによって外陰部の皮膚がかぶれ、かゆみの症状が現れる疾患です。

●寄生虫症

ケジラミや蟯虫（ぎょうちゅう）が陰毛に寄生すると、外陰部に強いかゆみが生じます。若い世代に多くみられます。

●外陰毛嚢炎

黄色ブドウ球菌や大腸菌に感染することで陰毛の毛根部周辺にできものが生じる疾患です。かゆみがあるため、患部をかいてしまいやすく、できものが破れて内部のうみが排出されると悪臭を放ちます。

●外陰部臭症

外陰部のアポクリン腺から分泌された汗が常在菌に分解されることによって悪臭が生じます。いわゆる「わきが」と同じ種類の症状です。

●バルトリン腺膿瘍

腟口の後方にあるバルトリン腺に細菌感染が起こって膿瘍ができる疾患です。膿瘍からうみが出ることによって強い悪臭を放ちます。

●外陰部の大きさについて

小陰唇が小さい、左右の大きさが違う、黒ずんでいる、などの悩みをもつ女性が多くいますが、外陰部の形や大きさには個人差があります。形や大きさが異常であると診断されることはありません。

受診の目安

セルフケア

度のストレスや不安など心理・精神面の問題を取り除く心がけや、生活習慣を見直すことも大切です。外陰、腟の炎症は性感染症に分類されるものも多くあるので、症状が強く出ている場合は性交を控え、症状が続く場合(1週間以上)は婦人科を受診しましょう。また、身体を清潔に保つことを心がけましょう。

考えられる病気

• 腟カンジダ症
• 外陰そう痒症
• 性器クラミジア
• 毛虱症
• 腟トリコモナス症
• 萎縮性腟炎
• 外陰炎
• バルトリン腺炎
• 性器ヘルペス
• 接触皮膚炎