バルトリン腺炎

ばるとりんせんえん

最終編集日:2022/3/30

概要

バルトリン腺は腟の入り口の左右にあり、性交時などに粘液を分泌して腟を潤す役割をしています。バルトリン腺炎は、このバルトリン腺が細菌に感染し、炎症を起こしている状態です。炎症が起きると、バルトリン腺の開口部がふさがり、分泌液が排泄できずに腫れてバルトリン腺嚢胞ができます。悪化すると、この嚢胞の中まで感染が広がってうみがたまるバルトリン腺膿瘍へと進行します。

原因

以前は淋菌という細菌への感染がおもな原因でしたが、現在は大腸菌やブドウ球菌、連鎖球菌、好気性菌、嫌気性菌などの菌も原因と考えられています。

カンジダやクラミジアなどに由来する性感染症にかかることで、バルトリン腺が炎症を起こすこともあります。


症状

バルトリン腺に炎症が起きても、初期にはほとんど症状がありません。バルトリン腺嚢胞は左右あるうちの片方にできますが、小さければほとんど痛みなども現れず、炎症が治まれば、嚢胞は縮小していきます。嚢胞が大きかったり、バルトリン腺膿瘍まで進行したりすると、強い痛みを伴い、性交時や日常生活の動作に支障をきたす場合があります。

検査・診断

バルトリン腺炎は、バルトリン腺部にはっきりとしたしこりがあることから、視診と触診で診断することができます。

視診では分泌物の性状を観察し、触診では腫瘤の性状や圧痛などの炎症状態を確認します。しこりは片側に発生することが多く、腫れや痛みを伴うバルトリン腺膿瘍の状態になってから受診する人がほとんどです。

補助診断としてCT検査、MRI検査などの画像検査、原因となる細菌を特定するために細菌培養検査を行うこともあります。バルトリン腺と同じ部位に生じる腫瘍として、線維腫や脂肪腫などの良性腫瘍や、ごくまれにバルトリン腺がんなどの悪性腫瘍があるため、細胞診や病理組織検査を行う場合もあります。


治療

初期で炎症が軽い場合は、原因菌に対する抗菌薬(抗生剤)を用いて経過観察を行います。すでに膿瘍ができ症状が重い場合は、外科的な手術により膿瘍を切開して、なかのうみを排出します。

バルトリン腺炎は再発することが多く、再発をくり返すバルトリン腺膿瘍には、嚢胞を切開してバルトリン腺の通りをよくする造袋術(開窓術)といわれる外科的手術が行われます。それでも再発する場合はバルトリン腺を摘出することになります。


セルフケア

病後

再発をくり返すバルトリン腺炎の治療として行われる造袋術ではバルトリン腺の分泌液を出す機能が保てますが、バルトリン腺を摘出すると分泌液を出すことはできなくなります。再発から摘出手術へと進まないよう、予防を心がけることが大切です。

予防

バルトリン腺炎の予防には、腟をはじめバルトリン腺の周囲を清潔に保つよう心がけることが大切です。また、性感染症にかかるとバルトリン腺炎を発症するリスクが高くなります。性交時には正しくコンドームを使用し、パートナーとともに性感染症を防ぐように心がけましょう。

監修

Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科

秋野なな

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