慢性化しつつある膀胱炎…尿道炎では?
今年に入ってから、1カ月ごとに膀胱炎になっています。冷え症で膀胱炎になりやすく、今回も薬を処方されましたが、むずがゆさが気になります。急性ではなく、慢性的なものか、あるいは尿道炎なのではないかと思うのですが…。血尿、性行為はありません。痛みはあまりなく、尿道のむずがゆさと頻尿があります。
女性/20代
2022/01/28
今年に入ってから何度も膀胱炎にかかり、慢性化しているか尿道炎かとご心配とのこと。膀胱炎の症状と治療、日常生活の注意点についてお話しします。
尿路感染症の1つである膀胱炎は、膀胱に炎症が起こっている状態です。一時的に起こる急性膀胱炎と、なかなか治らず、再発をくり返す慢性膀胱炎があります。
急性膀胱炎は女性がかかりやすく、10代後半から30代に多く発症しますが、からだのつくりが関係しています。女性は肛門から尿道口までの距離が短く、尿道の長さも4~5cm程度と男性に比べて短いため、菌が膀胱に入りやすいのです。原因菌で多いのは、大腸菌で、これは便の中や、肛門の周囲、腟の付近にも潜んでいます。通常は免疫の力が働くので、すぐに感染することはないのですが、過労や睡眠不足、かぜなどで体の抵抗力が落ちているときに感染します。
症状は、一般的には頻尿、排尿時痛、尿のにごり、残尿感、血尿など。慢性化すると、症状がはっきりしないこともあります。
ほとんどが抗菌薬の内服で治ります。内服後、しばらくすると症状がなくなりますが、その際自己判断で薬をやめてしまうと、完全に細菌が死滅せず、再発や再燃(症状が治まってもぶり返す)の原因になります。医師の指示どおりの内服が大切です。
一方、慢性膀胱炎は50歳頃から増え始め、60歳前後にもう1つのピークがあります。男女差はありません。女性は、急性膀胱炎が治りきらずに慢性化したり、婦人科の病気が膀胱に影響して起こることがあります。男性は前立腺肥大や結石などで尿の通りが妨げられて起こります。
症状は急性とほぼ同様ですが、症状は強くなく、自覚症状がない場合もあります。検査を行い、元となる病気を調べて、その治療を先に行います。原因となる病気があれば完治しないためです。
細菌感染以外の原因としては、間質性膀胱炎、放射線性膀胱炎、薬物性膀胱炎などがあります。
尿道炎は、排尿時の痛み、かゆみ、発熱、不快感、尿のにごり、尿道口が赤く腫れる、頻尿などの症状が表れます。中には自覚症状がない場合もあり、とくに女性では症状が軽いため、気づかずに感染が広がることがあります。きちんと治療をしないと、尿道が狭くなり排尿困難になることも。
治りにくい膀胱炎や再発をくり返す場合、泌尿器科で感染以外の原因の有無を調べ、それに応じた治療が必要となります。
ご相談者はくり返されているため、経過を把握している主治医に感染以外の原因が考えられないか、検査の必要性がないかをご相談されるといいでしょう。
尿路感染を予防するため、日常生活では以下のことに注意しましょう。
●水分を多めにとる
●排尿をがまんしない
●過労や睡眠不足、冷えなどに注意する
●排泄後は前から後ろに向かって(ペーパーで)拭く
●性行為前はシャワーを浴び、その後は排尿する
●生理用ナプキンや尿もれ用パッドはこまめに交換する
●(便が大腸に長くとどまると、大腸菌が増えるため)便秘に気をつける
●ウォシュレットを正しく使う
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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