外陰炎

がいいんえん

最終編集日:2022/3/30

概要

外陰炎はさまざまな原因によって外陰部に炎症が起こり、かゆみや痛みなどの症状が現れる状態を指します。

婦人科の疾患のなかでは頻度が高く、とくに更年期や閉経後の女性では症状を経験した方も多いことでしょう。炎症が起きても放置しておくことが多いようですが、なかには重篤な病気が原因の場合もあります。


原因

外陰炎をひき起こす原因は、皮膚への刺激、感染症、腫瘍、全身疾患など多様です。


●皮膚への刺激

外陰部はデリケートで刺激に弱い部分です。汗をかいて蒸れる、生理用品や下着でこすれる、石けんで洗いすぎる、性行為による刺激などが炎症の原因になり得ます。

また、月経時や排卵時に、外陰部にかゆみを感じることもあります。


●感染症

感染症のなかで頻度が高いのが、カンジダ腟・外陰炎です。これらは常在菌(健康な場合でももっている菌)であるカンジダ真菌によって起こります。カンジダ外陰炎では外陰部のかゆみや痛がゆさが中心ですが、カンジダ腟炎では悪臭のないヨーグルト状・粥状の白いおりものがあるのが特徴です。疲労やストレスなどで抵抗力が低下したときや、かぜなどの感染症で抗菌薬を服用した際に発症しやすくなります。

性行為感染症では、性器ヘルペスや尖圭コンジローマ、腟トリコモナス症などで外陰部に炎症や潰瘍を起こし、かゆみや痛みがみられることがあります。

ケジラミという寄生虫に感染しても、強いかゆみが起こります。

また、大腸菌や淋菌などが原因のバルトリン腺炎でも、外陰部や腟の入口が腫れて、痛みや灼熱感が現れます。


●更年期、閉経に伴うもの

女性ホルモンのエストロゲンの低下とともに、外陰部や腟の上皮の弾力性や保湿機能が低下し、乾燥しやすくなり、重症になると萎縮を起こすこともあります(萎縮性腟炎)。かゆみや痛みの症状が現れ、少しの刺激でも炎症が生じやすくなります。閉経後出血の原因ともなります。


●腫瘍、全身疾患

まれに外陰部の腫瘍が原因になることもあります。

自己免疫疾患のひとつであるベーチェット病では、外陰部に痛みの強い潰瘍が現れます。目の症状(眼痛、充血、羞明・まぶしさを感じる、など)、口腔粘膜や皮膚の潰瘍や皮疹、関節痛など、全身に症状がみられる場合、この病気を疑います。


症状

もっとも多い訴えは、外陰部のかゆみ、ヒリヒリした痛み、痛がゆさ、灼熱感、乾燥感です。排尿時や歩行時、また性交時にかゆみ・痛みが増すことがあります。

炎症が強くなると、外陰部のただれがひどくなって腫れる、粘液様の分泌液やおりもの、出血などの症状が現れます。

原因疾患によっては、全身性の症状を伴う場合もあります。


検査・診断

問診、視診、内診、おりものの培養検査で多くは診断がつけられます。

そのほか、疑われる原因疾患によって、コルポスコープ(腟拡大鏡)診、細胞診、血液検査、超音波検査などの画像検査が行われます。


治療

軟膏や腟錠の抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド軟膏(症状が強い場合)などで症状を抑えながら、原因疾患の治療を行います。

感染症が原因の場合は、抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬など、原因にあわせた軟膏、内服薬を用いて改善します。

更年期・閉経に伴う症状の場合は、エストロゲンの入った腟錠、腟座薬、軟膏で外陰部の症状を抑え、女性ホルモン補充療法(HRT)を行うこともあります。

腫瘍や全身疾患が原因の場合は、それぞれの専門科を受診して、治療に臨むことになります。


セルフケア

予防

何よりもまず、外陰部を清潔に保ちます。生理ナプキンやおりものシートはこまめに交換しましょう。入浴時にはこすらずにシャワーでやさしく洗うようにします。石けんを使いすぎるとかえって皮膚の保護作用・自浄作用が低下することがあるため、洗いすぎを避け、刺激の少ない石けんを選びましょう。

カンジダ腟・外陰炎は体力が低下したときに再発しやすいので、疲労やストレスをためないようにして、かぜなどの感染症にも気をつけます。

痛みやかゆみが強いときには、性行為は避けるようにします。また、性感染症の多くはコンドームの使用で防ぐことができます。

かゆさを我慢するのはつらいものですが、できるだけかかないことが大切です。数日経っても症状が治まらないようなら、婦人科を受診して原因を特定し、必要ならば適切な治療を受けるようにします。


監修

Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科

秋野なな

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