消化管間葉系腫瘍(GIST)
しょうかかんかんようけいしゅよう

最終編集日:2022/1/11

概要

消化管間葉系腫瘍は食道から直腸までの消化管壁の粘膜の下に発生する腫瘍です。GIST(ジスト:Gastrointestinal Stromal Tumor)とも呼ばれます。

いちばん多く発生する部位は胃の上部で、次いで小腸、大腸です。10万人に1〜2人しか発症しない非常にまれながんです。初期症状がほとんどないため、進行してから発見されるケースが多く、すでに肝臓や腹膜などへ転移しているケースも多くみられます。発症率に男女差はなく、60歳代から増える傾向があります。

原因

ほとんどの消化管間葉系腫瘍は遺伝子の突然変異が原因と考えられていますが、なぜ変異するのかについてはわかっていません。

症状

腫瘍が小さい初期の間はほとんど症状がありません。腫瘍が大きくなってくると吐き気、腹痛、下血、吐血などの症状がみられます。

ある程度進行しないと症状が現れないため、発見が遅れることも多く、発見されたときにはほかの臓器に転移していたり、転移したほかの臓器で先に見つかったりするケースも少なくありません。

検査・診断

内視鏡検査、CT検査、MRI検査などの画像検査で、発生部位、大きさ、浸潤の度合い、転移の有無などを調べます。同時に血液検査、心電図検査、肺機能検査を行い、内臓機能の状態を確認します。細胞を採取して組織検査を行い、確定診断につなげることもあります。

治療

消化管間葉系腫瘍の治療は、手術療法が原則です。初期で腫瘍が小さく転移などがない場合は、切除することで治癒が期待できます。

腫瘍が大きくほかの臓器への転移がみられる場合には、切除を行ったあとに分子標的薬を使った化学療法が行われます。

セルフケア

病後

腫瘍の切除だけでは治癒がむずかしい場合には、再発を防ぐために術後3年間ほど分子標的薬による治療が行われます。そのため長期にわたる定期的な診察と検査が必要になります。

監修

寺下医学事務所医学博士

寺下謙三

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