心臓腫瘍

しんぞうしゅよう

最終編集日:2023/3/28

概要

心臓腫瘍は、心臓に発生する腫瘍を指します。ただし、その発生頻度はほかの臓器にくらべてきわめて低く、非常にまれな病気です。

また、心臓にできる腫瘍では、がんのような悪性のものは少なく、良性腫瘍が約75~85%で、悪性腫瘍は15~25%程度といわれています。


心臓にできる良性腫瘍の多くは、粘液腫というゼリー状の腫瘍で、心臓腫瘍全体の30%程度を占めています。このほか、脂肪腫、乳頭状弾性線維腫、横紋筋腫、線維腫、房室結節中皮腫、血管腫、奇形腫などが発生することがありますが、基本的に良性なので、腫瘍自体が生命にかかわることはありません。心臓機能に影響を及ぼしたり、塞栓症の合併リスクなどがある場合には手術による切除が検討されます。


心臓にできる悪性腫瘍には、心臓から発生する原発性と、ほかの臓器で発生したものが転移した転移性のものがあります。原発性には、悪性中皮腫、悪性リンパ腫、肉腫などがあり、可能なかぎり手術による切除が第一選択となります。また、転移性腫瘍のおもな原発巣として、肺がん、乳がん、悪性リンパ腫、白血病などがあります。

原因

心臓腫瘍を遺伝子の異常や家族性とする考えもありますが、原因の多くは不明です。

転移性腫瘍の場合は、原疾患からの転移が原因です。

症状

腫瘍が大きくなければ無症状なこともあります。ほかの検査中に偶発的に見つかることが多くあります。腫瘍が大きくなる、あるいは腫瘍がある場所によって、血流障害や塞栓症、刺激伝導障害、心筋収縮障害などをきたし、労作時の息切れ、動悸など心不全の症状がみられることがあります。

検査・診断

心臓腫瘍は、経胸壁心エコー法(超音波検査)やCT検査、MRI検査などを行います。また、PET検査の併用は、良性と悪性の鑑別や原発巣の検査、悪性腫瘍のステージの判定に有効となります。最終的には、生検または切除による病理検査を行って、診断を確定します。

治療

良性・悪性にかかわらず、心臓腫瘍は手術による切除が原則です。手術は心臓を一時的に停止させるため、人工心肺装置で全身の循環を維持させて行います。なお、心停止状態での全身の血液循環によるリスクとして、心機能の一時的な悪化や不整脈、脳梗塞、肺障害、多臓器機能低下、血液凝固異常、免疫能低下などの合併症が報告されています。

セルフケア

予防

心臓腫瘍はまれな病気ですが、多くは良性腫瘍です。早期の発見・診断によって治療を行えば、これまでどおりの生活を送ることが可能です。原因不明の心雑音や不整脈など、気になる症状がある場合は、早めに循環器専門医を受診しましょう。

監修

神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科 部長

福井和樹

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