青壮年急死症候群
せいそうねんきゅうししょうこうぐん

最終編集日:2022/3/15

概要

健康と思われていた人に何らかの症状が現れ、24時間以内に死亡に至るケースを突然死といいます。突然死の多くは、急性冠症候群、心不全、致死性不整脈、大動脈解離などの心疾患が主因とされます。また、脳疾患(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞など)のこともあります。

これらの疾患は解剖することによって原因が特定できることが多いのですが、解剖しても死因が特定できない場合があります。このような場合を青壮年急死症候群と呼びますが、正式な医学用語ではないので年齢などの定義があるわけではありません。


近年の研究の結果、この青壮年急死症候群の多くの原因がブルガダ症候群や先天性QT延長症候群といった遺伝性不整脈疾患だと考えられています。不整脈による突然死は解剖しても跡形も残らないことが特徴です。


原因

遺伝性不整脈の多くは原因不明ですが、遺伝子に異常があるといわれています。一部親子で遺伝する遺伝子もあり、突然死の家族歴のある人は注意が必要です。

症状

睡眠中や入浴中、仕事中など日常生活のなかで突然生じます。突然倒れて失神(意識消失)し、反応がなくなります。また、悲鳴のようなうめき声を発したり、口から泡を出したりすることもあります。

検査・診断

死後の診断ですので、検査法はありません。

ただし、リスクが高いかどうかは通常の心電図検査でわかる場合があります。定期的な心電図検査や24時間ホルター心電図などを行い、必要であれば心臓電気生理学的検査を行います。


治療

迅速な救命救急対応が重要です。

救急車を呼ぶ、人工呼吸、心臓マッサージ、AEDの使用などを迅速に行うことで救命につながる場合もあります。遺伝性不整脈の場合は、疾患によって対応が異なります。どの疾患に対しても、もっとも効果的な治療法は植込み型除細動器(ICD)の留置です。体内に植込むことで機械が心電図を常時モニターし、心室細動を起こした際はすみやかに電気ショックをかけて蘇生してくれます。


セルフケア

予防

予防はむずかしいのですが、失神の既往歴や家族歴で突然死がある人などは、一度専門医療機関を受診しましょう。

監修

神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科 部長

福井和樹

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