心室中隔欠損症しんしつちゅうかくけっそんしょう
最終編集日:2022/4/11
概要
心臓には2つの心室と2つの心房があります。全身に血液を送り出すのが左心室で、肺に血液を送り出すのが右心室です。左右の心室を分けているのは心室中隔と呼ばれる部分で、そこに穴(欠損孔)が開いている病気が心室中隔欠損です。母親の胎内で心臓がつくられる際に生じる先天性心疾患のため、予防は困難です。穴が小さい場合は自然に閉鎖することもありますが、心臓や肺に負担がかかる大きさの場合は手術が必要になります。心室中隔欠損は乳児健診の際、心臓の音を聞いたときの心雑音から病気が判明するケースがよくみられます。
原因
染色体や遺伝子の異常などが想定されていますが、生まれつきのもので原因ははっきりわかっていません。
症状
欠損孔の大きさや位置は人によって異なり、症状もさまざまです。穴が小さければ、症状が現れることなく成長し、生後1年以内に自然にふさがる場合もあります。
欠損孔が大きい場合は生後1カ月程度までに、息がしづらく、呼吸時にゼーゼーと音がする喘鳴が起こったり呼吸が速くなったり、汗をよくかく、ミルクがあまり飲めず体重減少などがみられます。
検査・診断
聴診で心室中隔欠損が疑われたら、心臓超音波検査にて診断が確定されます。
治療
心室中隔の穴が大きい場合や、それによる心不全の症状が重い場合には手術を行います。手術は人工心肺を用いて行い、パッチという人工のあて布で穴をふさぎます。術後は筋肉が成長してパッチとなじんでいくので交換の必要はありません。
また、薬による治療では、利尿薬を用いてからだから余分な水分を除去し、心臓にかかる負担を軽減します。
セルフケア
療養中
心室中隔欠損があると、感染性心内膜炎に感染しやすくなります。
そのため手術や抜歯などの治療を受ける際には、抗生物質を服用するなど感染予防に配慮した対策をとる必要があります。
監修
小田原循環器病院 循環器内科 院長
杉薫
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