心室中隔欠損症しんしつちゅうかくけっそんしょう
最終編集日:2026/4/17
概要
心臓には2つの心室と2つの心房があります。全身に血液を送り出すのが左心室で、肺に血液を送り出すのが右心室です。左右の心室を分けているのは心室中隔と呼ばれる部分で、そこに穴(欠損孔)が開いている病気が心室中隔欠損症です。
母親のおなかの中で心臓が左右に分かれていく途中で、本来ふさがるはずの壁が完全に閉じず、小さな穴が残ってしまうことで起こります。穴が小さい場合は自然に閉鎖することもありますが、心臓や肺に負担がかかる大きさの場合には手術が必要となります。心室中隔欠損症は、乳児健診の際に心臓の音を聴いたときの心雑音から病気が見つかるケースがよくみられます。
原因
染色体や遺伝子の異常などが関係していると考えられていますが、生まれつきのものであり、原因ははっきりとはわかっていません。
症状
欠損孔の大きさや位置は人によって異なり、症状もさまざまです。穴が小さければ、症状が現れることなく成長し、生後1年以内に自然にふさがることもあります。
欠損孔が大きい場合には、生後1カ月程度までに、息がしづらくなる、呼吸時にゼーゼーと音がする喘鳴がみられる、呼吸が速くなる、汗をよくかく、ミルクがあまり飲めず体重が増えにくいなどの症状がみられます。

検査・診断
聴診で心室中隔欠損症が疑われた場合には、心臓超音波検査(心エコー)によって診断が確定されます。
治療
心室中隔の穴が大きい場合や、それによる心不全の症状が重い場合には、手術を行います。手術は人工心肺を用いて行い、パッチという人工のあて布で穴をふさぎます。術後は筋肉が成長してパッチとなじんでいくため、交換の必要はありません。
また、薬による治療としては、利尿薬を用いて体内の余分な水分を除去し、心臓にかかる負担を軽減します。
セルフケア
療養中
心室中隔欠損症では感染性心内膜炎を起こすこともあるため、口腔内を清潔に保つことが重要です。また、発熱などの体調不良がある場合には、早めに医師に相談しましょう。
監修
神奈川県立循環器呼吸器病センター副院長 循環器内科
福井和樹