ブルガダ症候群

ぶるがだしょうこうぐん

最終編集日:2022/3/3

概要

健康な人が睡眠中や安静時に突然死をひき起こす可能性のある心臓の病気で、30~50代の男性に多いという傾向があります。

心電図で特徴的な所見を呈し、それまでふつうに生活を送っていた人がある日突然、就寝中に心室細動(心臓が細かくふるえ、全身に血液を送れなくなる状態)が起こり、ポックリ亡くなる疾患の原因といわれています。運よく失神後一過性で自然に回復することもありますが、心室細動が止まらなかった場合は死に至ります。

原因

原因はわからない場合が多いですが、患者さんに男性が多いことから男性ホルモンの関与や遺伝子の先天的な異常がかかわっているという指摘もあります。一部には親から子へ遺伝する遺伝子異常が関与し、ブルガダ症候群が多くみられる家系があります。

症状

睡眠中や安静時に突然、心室細動という致死性の不整脈が起こります。

心室細動は、全身に血液を送り出す左心室が不規則かつ小刻みに震え、血液が送り出せなくなるため、血圧が下がり、失神やけいれんが起きます。心室細動が治まらなかった場合、突然死に至ることもあります。

検査・診断

健診での心電図がもっとも重要です。特徴的な心電図所見があり、ブルガダ型心電図として異常を指摘されます。ブルガダ型心電図すべてで突然死が多いわけではありません。心電図の形や家族歴・本人の失神歴などでリスクが異なります。心電図の形も、時に変化することがあり、運動負荷心電図や24時間ホルター心電図で危険な形が出ていないかなどを調べます。場合によっては遺伝子検査を行うことがあります。突然死のリスクが高いと判断される場合は、入院して心室細動が誘発されるかどうかを確認するための検査(心臓電気生理学的検査)やナトリウムチャネル遮断薬という不整脈の薬を注射して心電図の形に変化が出ないか調べます。若い方で失神した場合は、これを疑って調べることもあります。

治療

ブルガダ症候群の確実な治療法は、植込み型除細動器(ICD)です。体内に植込むことで、機械が心電図を常時モニターしており、心室細動を起こした際、すみやかに電気ショックをかけて蘇生してくれるのがICDです。ブルガダ症候群で心停止や心室細動などの既往歴がある場合は、再発のリスクが高いためICDの留置が必須となります。補助的にシロスタゾールやキニジン、ジソピラミド(不整脈を抑える薬の一種)などの薬が使用されることもあります。

ICDが留置されていない人に心室細動が起きれば、迅速にAED(自動体外式除細動器)を使い、電気ショックを与えて、心臓のリズムを正常な状態に戻します。


セルフケア

療養中

ICDを植込んだ半年間は、自動車の運転が原則禁止となります。その後手続きを踏むことにより運転できる場合もあります。

予防

飲酒時、熱が出ると発作が起きやすくなるといわれているため、禁酒を心がけ、発熱時は早めに解熱剤を服用しましょう。



監修

神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科 部長

福井和樹

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