アレルギー性結膜炎あれるぎーせいけつまくえん
最終編集日:2022/1/11
概要
結膜とは、まぶたの裏側と白目を覆っている粘膜です。アレルギー性結膜炎は、結膜に花粉やほこりなどのアレルゲン(アレルギー反応をひきおこす物質)が付着することにより、目のかゆみや充血などが起こる病気です。
特定のシーズンのみに発症するものを「季節性アレルギー性結膜炎」と呼び、1年を通して慢性的にみられるものを「通年性アレルギー性結膜炎」といいます。
季節性の場合、花粉が原因であることがほとんどです。通年性のものには、ハウスダストやダニが要因に挙げられます。
若年者に多くみられる慢性重症型の「春季カタル」や、コンタクトレンズの汚れが原因で、まぶたの裏側にブツブツができる「巨大乳頭結膜炎」も、アレルギー性結膜炎の一種です。
原因
花粉やハウスダスト、ダニなどのアレルゲンが目に入ると、異物を排除しようと体内で免疫反応が働きます。その後、ヒスタミンなどの物質が体内で過剰に分泌され、目の知覚神経や毛細血管を刺激し、かゆみや充血などの症状が現れます。
症状
目のかゆみ、充血、目のなかの異物感、涙、目やになどの症状がみられます。充血が悪化すると、まぶたが赤く腫れたり、白目が腫れたりします。目の症状だけでなく、鼻水やくしゃみを伴うこともあります。ウイルス性結膜炎とは異なり、感染することはありません。
検査・診断
眼科で問診や視診を行い、結膜がアレルギー反応を起こしているかどうかを確認するほか、血液検査や診断用アレルゲンエキスを用いた皮膚テストがあります。
また、確定診断には、目やにのなかに好酸球というアレルギー反応に関与する炎症細胞があるかどうかを検出する方法があります。
治療
薬物療法(薬による治療)が一般的です。かゆみや充血などの症状は、抗アレルギー点眼薬でやわらぎます。抗アレルギー点眼薬には、アレルギー症状をひきおこすヒスタミンの量を抑える薬と、ヒスタミンの作用そのものを緩和する薬があります。
重症の場合は、ステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬を使用します。ただし、ステロイド点眼薬は連続して使うと眼圧が高くなることがあるため、定期的に眼圧の検査をすることが大切です。
セルフケア
予防
花粉がアレルゲンの場合、花粉飛散時期の約2週間前から抗アレルギー点眼薬を使用すると、花粉飛散のピーク時に症状を抑えられます。
布を巻いた保冷剤や冷たいタオルで目を冷やすと、かゆみ対策になるでしょう。外出時にはマスクや眼鏡でしっかり花粉をガードすることも大切です。
ハウスダストやダニが原因の場合、頻繁に掃除をしてほこりを取り除き、布団乾燥機などで布団の手入れをしましょう。
監修
井上眼科病院院長
井上賢治
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