円錐角膜

えんすいかくまく

最終編集日:2022/4/11

概要

角膜(黒目の表面の透明な膜)が薄くなり、前方へ円錐状に突出する進行性の病気です。視力の低下や乱視の発生をひき起こします。

10~20歳代の思春期に多く発症し、少しずつ病状が進行していき30~40歳代で進行が止まることがほとんどです。症状は左右差がありますが、両目に起こります。


原因

円錐角膜は、コラーゲンを溶かす物質であるコラゲナーゼが活性化し、必要以上に角膜の線維を壊してしまうことで、角膜が眼圧に耐えきれなくなって起こります。活性化する原因は不明で、遺伝によって起こるケースもありますが定かではありません。アトピー性皮膚炎に伴って起こることもあり、アレルギーとの関連も指摘されています。また、目をこするなどの物理的な刺激も原因になるのではといわれています。日本での発症率は1000~2000人に1人程度といわれています。

円錐角膜
円錐角膜

症状

角膜が変形することで、視力の低下、乱視、光をまぶしく感じるなどの症状が現れます。

突出が進行してくると、ハードコンタクトレンズでの視力矯正を行いますが、薄くなった部分とレンズがこすれることで激しい痛みが起こることがあり、角膜とハードコンタクトレンズの間にソフトコンタクレンズをのせるピギーバック法を行う場合もあります。

さらに突出が進むと、コンタクトレンズの装用が困難となり、視力の矯正もできなくなります。また、角膜内に水がたまる急性水腫を発症し、角膜が白く濁って急激な視力低下をきたすこともあります。


検査・診断

円錐角膜では、まず視力検査を行い、視力の低下の有無を確認します。つづいて角膜の突出度合いを調べるために細隙灯顕微鏡検査を行い、角膜の中央、もしくはやや下方の角膜に突出があるかを確認します。

なお、初期段階で突出が軽微なときは、細隙灯顕微鏡検査では発見しにくいため、角膜形状解析検査を行います。


治療

症状が軽度から中等症であれば、コンタクトレンズの装用で視力の矯正を行います。

病状が進行し矯正がむずかしくなった場合は、角膜クロスリンキングや角膜内リングなどの治療を検討しますが、角膜移植が必要となる場合もあります。

●角膜クロスリンキング(保険適用外)

角膜にリボフラビン(ビタミンB2)を点眼し紫外線を照射することで、角膜を構成するコラーゲン線維の結びつきが強くなり角膜の強度を上げ、進行を予防します。あくまで悪化を予防する方法であり、この方法の施術後も矯正用レンズは必要です。進行が速い10歳代や20歳代の時期に有効な進行抑制治療とされています。

●角膜内リング(保険適用外)

角膜に透明なプラスチック製のリングを埋め込み、角膜の突出を抑えることで視力の低下や乱視を抑えます。症状が進行しやすい若い世代には進行予防の効果があります。また、突出によって困難となったコンタクトレンズの装用を可能にする効果もあります。

●角膜移植 (海外からの輸入角膜は保険適用外)

角膜移植には全層角膜移植(角膜全層を取り換える)、深層層状角膜移植(角膜の内皮層を残し上皮層の部分だけを取り換える)の2種類があります。角膜移植希望者が提供者のドナー登録を常に上回っているため、国内で角膜移植を受ける場合は、待期期間が必要となることがあります。

なお、円錐角膜では、角膜が薄く弱くなっているため、角膜を削るレーシック治療を行うことはできません。


セルフケア

予防

視力の急速な低下や眼鏡での矯正がむずかしい場合は、眼科を受診しましょう。一般的な近視と判断してレーシック手術を受けてしまうと症状が悪化するので注意が必要です。

監修

井上眼科病院 院長

井上賢治

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